安倍内閣:新経産相に宮沢洋一参院議員、法相に上川陽子氏
毎日新聞 2014年10月20日 18時26分(最終更新 10月21日 16時37分)
◇皇居での認証式は21日に
政治団体による不明朗な会計問題が浮上した小渕優子経済産業相(40)=衆院群馬5区=と、選挙区内で「うちわ」を配布していた松島みどり法相(58)=東京14区=は20日、安倍晋三首相と首相官邸で個別に会い、辞表を提出し受理された。2012年12月に発足した第2次安倍内閣で閣僚が辞任したのは初めて。政権に大きな打撃になった。首相は同日、小渕氏の後任に自民党の宮沢洋一政調会長代理(64)、松島氏の後任に同党の上川陽子元少子化担当相(61)を内定した。両氏は21日、皇居での認証式を経て正式に就任する。
閣僚2人が同時に辞任する事態は極めて異例。小渕、松島両氏は首相との会談で「政治、行政に遅滞をもたらすことは許されず、閣僚を辞任したい」と述べた。首相は小渕氏らの辞表を受理した後、首相官邸で「2人を任命したのは私であり、任命責任は首相である私にある。こうした事態になったことを国民のみなさんに深くおわびする」と記者団に語った。
首相はその後、両氏の後任の人選に着手。宮沢氏と上川氏を内定し、「難問が山積している。経済最優先で政策を前に進めていかなければならないという観点から、後任を急いで決定した」と記者団に説明した。
閣僚2人が交代する緊急事態に、菅義偉官房長官は20日の記者会見で「極めて残念だ。政権政党としてしっかりと基本に立ち返って取り組んでいく」と述べた。
小渕氏を巡っては政治団体「小渕優子後援会」(群馬県中之条町)と「自民党群馬県ふるさと振興支部」(同県高崎市)が10年と11年に共催した観劇会について、計約3400万円を支出した一方、観劇料としては計約740万円の収入しか政治資金収支報告書に計上していなかったことが発覚。差額を政治団体が負担していれば公職選挙法の利益供与に抵触するとの疑惑が浮上した。さらに、小渕氏の資金管理団体から百貨店のベビー用品や化粧品、著名デザイナーズブランドなどへの支払いも確認され、「公私混同ではないか」と批判が出ていた。
小渕氏は故・小渕恵三元首相の次女。TBS社員などを経て、00年5月の恵三氏死去を受け、同年6月の衆院選で初当選し、現在5期。08〜09年の麻生内閣で、少子化担当相として戦後最年少で入閣した。