小渕経産相:辞任 松島法相も辞意 安倍政権に打撃

毎日新聞 2014年10月20日 12時17分(最終更新 10月20日 17時41分)

小渕優子経産相(左)と松島みどり法相(右)
小渕優子経産相(左)と松島みどり法相(右)

 小渕氏は調査を進める中で、多額の不明朗会計が世論や野党の理解を得るのは困難と判断し、閣僚辞任を決断した。野党は国会で攻勢を強めており、法案審議の停滞を懸念する政府・与党にも「辞任はやむを得ない」との見方が急速に強まった。

 小渕氏は故・小渕恵三元首相の次女。TBS社員などを経て、00年5月の恵三氏死去を受け、同年6月の衆院選に群馬5区から初当選し、現在5期。08〜09年の麻生内閣で少子化担当相として戦後最年少で入閣し、同党内で「将来の首相候補」と注目された。今年9月に発足した第2次安倍改造内閣では、看板政策の「女性活躍」を象徴する女性閣僚5人の筆頭格として、2度目の入閣を果たした。

 一方、松島氏には公選法違反の疑いが指摘されており、野党議員が公選法違反容疑で東京地検に告発している。松島氏が野党に示した資料によると、松島氏は12〜14年に「うちわ」を約178万円で計2万1980本作り、選挙区内のイベントなどで配布。うちわは柄があり、名前やイラスト、成立した法律が記されていた。「法務大臣」の肩書の入ったものも多数配ったとされる。

 松島氏は国会審議で、有価物ではないかとの追及に「うちわのように見えるかもしれないが価値のあるものではない。討議資料だ」などと釈明したが、民主党の階猛副幹事長が公職選挙法違反の疑いで東京地検に告発。与党内からは、松島氏も辞任させて「同時決着」を図るべきだとの声が出ていた。

 松島氏は首相の出身派閥である町村派に所属し、衆院当選4回。副国土交通相や副経産相などを歴任した。【木下訓明】

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