小渕経産相:辞任 松島法相も辞意 安倍政権に打撃

毎日新聞 2014年10月20日 12時17分(最終更新 10月20日 17時41分)

小渕優子経産相(左)と松島みどり法相(右)
小渕優子経産相(左)と松島みどり法相(右)

 小渕優子経済産業相(40)=衆院群馬5区=は20日午前、安倍晋三首相と首相官邸で会い、自身の関連政治団体による不明朗な会計問題の責任を取り、辞表を提出した。首相は受理し、経産相の臨時代理に高市早苗総務相を充てた。また、選挙区内で「うちわ」を配布していた松島みどり法相(58)=東京14区=も辞任する意向を固めた。2012年12月に発足した第2次安倍政権で閣僚が辞任するのは初めて。閣僚2人が同時に辞任する事態は極めて異例で、首相は女性政策推進の象徴として内閣改造で女性閣僚5人を起用しただけに、政権に大きな打撃となるのは必至だ。

 小渕氏は20日午前8時20分ごろから約30分間、首相と会談。「政治資金問題を引き続きしっかり調査し、政治家として襟を正したい。国政に遅滞をもたらすことは許されず、閣僚の職を辞したい」と辞任の理由を説明し、「内閣の一人として女性活躍や経済再生に貢献できず、申し訳ない」と首相に陳謝した。

 小渕氏はその後、経産省で記者会見し、観劇会をめぐる収入と支出が大きく食い違っていることについて「指摘を受けている通り、大きな疑念があると言わざるを得ない」と述べ、税理士ら第三者に調査を依頼する意向を示した。

 菅義偉官房長官は20日午前の記者会見で、「大変残念だが、首相は小渕氏の意思を尊重して受け入れた」と述べ、首相が正式な後任人事を速やかに進めると説明した。後任には閣僚経験のあるベテラン男性議員らが取りざたされているが、首相は再び問題が起きないよう慎重に人選しており、「そんなに早く決まる話ではない」(政府関係者)との指摘も出ている。

 小渕氏を巡っては政治団体「小渕優子後援会」(群馬県中之条町)と「自民党群馬県ふるさと振興支部」(同県高崎市)が10年と11年、東京都中央区の「明治座」で地元女性支持者向けに共催した観劇会について、計約3400万円を支出した一方、観劇料としては計約740万円の収入しか政治資金収支報告書に計上していなかったことなどが発覚。差額を政治団体が負担していれば、公職選挙法の利益供与に抵触するとの疑惑が浮上した。

 さらに、小渕氏の資金管理団体から百貨店のベビー用品や化粧品、著名デザイナーズブランドなどへの支払いも確認され、「公私混同ではないか」と批判が出ていた。

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