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異世界に行ってウハウハして無双します。 作者:YATAO

第壱章

アイス作りました。

結構、短いです。







俺達は宿に帰ってくると何かいい料理がないかアエルさんはそう言って頭を下げた。エリオと俺は顔を見合わせ、小さく頷く。

「俺らでよければ」
「はいですぅ♪」

 力になれるかわからないけれども。

「どんなものを出したいと思ってるんですか?」
「そうですね…やっぱり軽く食べれるもの、ですかね。デザートというか、女性受けするものならさらにいいんですが…」
「女の人が喜びそうなもの、かあ。クレープとか、アイスぐらいしか浮かばないけど…」

 我ながらなんとも貧相な発想だ。
そもそもあまり料理とかしない方だし。

「アイス? 氷ですか?」

「いや、そっちじゃなくて。アイスクリームの方」

「アイスクリーム?」

 あれ? みんなキョトンとしてる。ひょっとしてこっちの世界には無いのか?

「どんな料理なんですか?」

「えーっと、甘くて冷たくて、白い…バニラアイスって知りません?」

「いえ。聞いたこともないです」

 どうも本当らしい。冷蔵庫もない世界なんだから当たり前といえば当たり前か。

「作り方はわかりますか?」

「いや、作り方までは…確か牛乳を使って作るってことぐらいしか…」

 アエルさんの質問に思わす口篭る。作り方って言われてもなあ。
 ……待てよ。確かに俺はバニラアイスの作り方を知らないが、それを調べることができる!

「ちょっとまってて下さい。ひょっとしたらなんとかなるかも。えーっとエリオ、手伝ってもらえる?」
「はい、いいですよ」

 エリオを連れて部屋に戻る。スマホを取り出し、「アイスクリーム 作り方」でネットに検索をかけた。よしよし、載ってる載ってる。

「…それ…なんですか?」

 スマホを操作する俺に、不思議そうな顔で尋ねるエリオ。

「あー、便利な魔法の道具ってとこかな。俺にしか使えないけど。あまり詮索しないでもらえると助かる」

 エリオは訝しげな顔をしつつも、それ以上突っ込んではこなかった。物分りのいい子だ。あとで、褒めてあげよう。

「で、今から読み上げる事を紙に書いていってもらえるかな」

「はいですぅ」

「卵3個、生クリーム200ml、砂糖60〜80g…ここまででわからない単語とかある?」

 材料をざっとあげて、エリオに尋ねてみる。

「ミリリットルとかグラムってなんですか?」

 ……そうきたか。

「ミリリットルは僕の国の分量の単位だよ。グラムは重さ。ここらへんは俺の目分量でやるしかないなあ…。あ、あとエリオは氷の魔法って使えたよね?」

「はい、使るですぅ♪」

 よし、なら問題ない。続けてバニラアイスの作り方を書いてもらおう。



 エリオに書いてもらった作り方を見ながら、アエルさんが調理していく。ド素人の俺が作るより確実だろう。
材料を泡立てるのは手伝ったけど。角が立つまでかき混ぜるのは骨が折れた。
 最後に蓋をした容器にエリオが魔法をかけて、周りを氷で覆う。そしてしばらく放置し、頃合いを見計らって氷を砕き、中の容器を取り出す。うん、ちゃんと固まってるっぽい。
 スプーンで一口食べてみる。微妙な違いはあるものの、バニラアイスと言っても差し支えないと思う。
 皿に取り、アエルさんに差し出す。一口食べて彼女はすぐに目を見開き、次いで笑顔がこぼれた。

「美味しい…!」

 どうやらお気に召したようだ。これで一安心。

「なんだい、これ! 冷たくて美味い!」

「美味しいですぅ!」

 ミカさんとリンゼも気に入ってくれたようだ。正直、自分としてはイマイチなんだけれど。まあ、有名アイスチェーン店のようにはいかないか。
 問題はアエルさんの店に、氷の魔法を使える人がいるかということなんだけれど、どうやら一緒に働いているアエルさんの妹さんが使えるらしい。なら大丈夫か。

「これなら女性受けもすると思うし、新メニューには充分じゃないですかね」

「はい! ありがとうございます! バニラアイス、使わせてもらいますね!」

 正確にはバニラエッセンスを使ってないので、バニラアイスではないのだが…ま、細かいことはいいだろう。

 アエルさんがさっそく自分で一から作ってみたいと、挨拶もそこそこに店に戻って行った。

 のちに他の宿に泊まっている冒険者達がこの話を聞き、自分だけ食べられなかったことに不満を爆発させたので、ミカさんが作ることになった。
その際に、俺はまた材料をかき混ぜることになってしまい、ハンドミキサーという文明の利器を欲しいと、切に願うことになる。もしかしたら作れるかなぁ?


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