副題は「オレのあそこがあいつのアレで」。大林宣彦監督の『転校生』と、その原作『おれがあいつであいつがおれで』(山中恒)を元ネタとした男女入れ替わり物語である。発想自体は珍しくないが、本作がユニークなのは、男女の局部だけが入れ替わるという点だ。
本家『転校生』では、心が入れ替わった男女は、心を主体として振る舞った。体の性別にかかわらず、心が女なら女のように、心が男なら男のように。ところが本作では、オレ様系だった男が、局部が女になることによってやけに乙女チックな性格になり、田舎の純朴女子高生が、男の局部を得たことで、妙に勇ましい言動をとるようになる。
何かの本で読んだのだが、以前は人工知能の研究とヒューマノイド型ロボットの研究は別々の分野だったのが、“人間のような体を持っていなければ、人間のように考えることはできないのではないか”という考え方が出てきて、最近では両分野は統合されつつあるんだとか。そういう身体性の問題、つまり、精神が身体を規定するのではなく、身体が精神を規定する——といったようなことを考えさせられる作品なのだ。
ジェンダーやセクシャリティの問題に一石を投じながら、おバカな青春娯楽作としても理屈抜きに楽しめる。“童貞魂”を失わない作者が、意外に鋭い観察眼で男女の違いについて考察したあとがきも必見!