NNNドキュメント「この腕に抱くまで 横田夫妻 哀切の道のり」
2014年11月9日(日) 24時59分~25時54分 の放送内容
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最終更新日:2014年11月4日(火) 10時2分
めぐみさん拉致から37年。娘との再会を願い奔走する横田夫妻に寄り添い撮り続ける人がいる。今回の再調査で、期待と共に強いられる「覚悟」。9年間の独自映像で伝える。
番組内容
横田めぐみさんの拉致からこの11月で37年。両親の滋さんと早紀江さんは、再会の希望を切なく追い求めてきた。一人の映像技術者が、二人に寄り添い、撮り続けている。それは有名な被害者家族の知られざる素顔の記録だ。また、母としての早紀江さんの苦しみに寄り添うのは娘の親友の母、真保節子さん。再会を共に祈り、支えてきた。拉致の再調査が始まり、期待と共に強いられる「覚悟」。独自映像で夫妻の9年間と今を伝える。
出演者
- ナレーター
- 松本光生
制作
日本テレビ
その他
- 属性情報?
-
- ジャンル
- ドキュメンタリー/教養 - ドキュメンタリー全般 ニュース/報道 - 特集・ドキュメント
人物情報
番組詳細説明(内容)
【見どころ】
拉致被害者の両親、横田滋さんと早紀江さん。突然姿を消した娘を37年間ずっと探し続けている。「ただ、会いたい。」それだけの願いがかなえられないまま、歳月が過ぎた。私たちのカメラは、人に支えられながら段差をのぼる滋さんをとらえていた。
夫81歳。妻78歳。早紀江さんは漏らす。「もう持ちこたえられなくなっている」。
二人にずっと寄り添いながら記録し続けてきた人がいる。映像技術者の田辺信道だ。
あまりにも有名な拉致被害者家族の二人が、田辺のカメラに見せてきたのはまさに素顔。漏らしてきたのは肉声だった。わが子の帰還をただ願うだけの、だからこそ切ない喜怒哀楽。動かない時間の酷さが、そこに浮かび上がってきた。そして取材9年目の今、真実の解明が動き始めると、被害者の親である二人は、重い覚悟を強いられている。そして、その後も続く苛立たしい混迷…。
カメラが寄り添い続けた9年、そして今を伝える。
【内容】
9年前の秋、ある写真展がスタートした。娘・横田めぐみ(50)さんと過ごした13年間に、滋さんが趣味のカメラで撮り続けた写真。ありふれた家族の平和な時間が奪われたことを、実感してもらおうと企画された。会場には、めぐみさんの笑顔がいっぱいだ。滋さんは「(この後)あいだが抜けているけれど、また撮れる日が来るといいなと思う」とほほ笑む。田辺の取材も、この年に始まった。
8年前、期待が膨らんだのが、拉致問題に熱心な安倍総理の誕生。だが成果のないまま、1年で退任してしまう。国交のない北朝鮮から被害者を取り戻せるのは、政府だけだ。早紀江さんは田辺に手紙で、心情を吐露する。
「この国は何かがおかしい。哀しいだけの人生です」
この後は日朝間の交渉も途絶え、拉致問題の報道自体も減っていく。
そんな中、回を重ねていたのが滋さんの写真展だ。続けてきたのは、夫婦が暮らす川崎のマンションの住民たちが二人を支えるボランティア団体「あさがおの会」だ。この頃、都内の蕎麦屋で「あさがおの会」が開いた忘年会。滋さんは、蕎麦打ちに挑戦していた。ぎこちなく、しかし真面目そのものの態度で。その蕎麦打ちを手ほどきしているのが、田辺だ。二人を励まそうと、趣味の活用を買って出た。つかの間の息抜きに、二人も笑顔を漏らす。
田辺は寄り添い続けるうちに、他のカメラが入らない場面で、喜びや悲しみ、不安を聞くようになった。あるときには、拉致問題担当大臣がわずか三週間で辞任。その翌日、次の大臣の呼び出しを受けた早紀江さんは「もう言うことございません、うんざりしています…」と、田辺の前で力なく笑った。この時期、北朝鮮の側には大きな変化があった。拉致を指示したとされる金正日氏が死去。後を継いだ息子は、外国との関係改善を望んでいると伝えられた。北朝鮮には、支援団体や家族会でもこれまで強硬路線が主流だったが、滋さんは早くから効果に疑問を口にしてきた。方針をめぐって、早紀江さんとの間も時に険悪になる。事態が何年も動かないことが家族間にも引き起こす、波紋。
残る時間はわずかだ。滋さんは9年前に、血液の病気で2カ月も入院。大好きなお酒にも、今は早紀江さんが目を光らせる。2年前には滋さんは、眠っている間に呼吸の止まる症状が悪化し、特殊な機器を着けて就寝するようになった。いくつもの病気を抱えながら、毎日活動を続けている。そして、めぐみさんが平壌にいると判明して17年。講演会は1300回を超えた。
2012年12月に総理に返り咲いたあの安倍氏が、あけて1月、今度こそ拉致問題を全面解決すると、家族たちに直接語りかけた。だが期待は裏切られ続ける。日本と北朝鮮、どちらの政府も強硬姿勢を崩さず、時間が過ぎる。早紀江さんがつぶやく。「もう死んじゃうわ。力が無くなってる」。10月、地元川崎で開かれた集会で、主催者が誕生ケーキを用意した。この日は、めぐみさん49歳の誕生日だ。会場で斉唱される「ハッピーバースディ」。すると早紀江さんは不意に涙があふれ、止められらなくなる。公の場では泣かずにきたのだが…。期待しても動かないことの苦痛が、心をさいなむ。
母としての早紀江さんの痛みに、ずっと寄り添って来た女性がいる。真保節子さん82歳。新潟でめぐみさんの親友だった真保恵美子(49)さんの母親だ。めぐみさんの行方が分からず早紀江さんが苦しんだ最初の頃、真保さんが呼びかけ、二人は一緒に聖書を読む。やがて、外国人宣教師のもとで二人とも洗礼を受けた。以来、ずっとめぐみさんのため祈りを続けている。12年前に拉致被害が明らかになると、多くの信者たちが加わった。めぐみさんの帰還を願う祈祷会には真保さんも必ず参加。会は今年140回を超えた。また娘の恵美子さんは、今も台所に中1のめぐみさんの写真を飾り、親友の面影を追い続ける。
今年春、止まっていた時間が動き出した。めぐみさんが北朝鮮で生んだ、孫娘キムウンギョンさん。滋さんと早紀江さんは、初めての面会を果たしたのだ。会えば北朝鮮側に利用されるからと肉親の情を長年押し殺してきたが、両国政府によって極秘裏に実現したのだ。帰国から4日後、自宅マンションで面会の様子を嬉々として語る二人。だが、両者の間にいるはずの、めぐみさんの生死のことだけは話せずに別れたという。
このあと、事態は動きを速めた。日朝政府が再調査を協議し、秋の初めには最初の調査報告がもたらされると明言したのだ。拉致問題の大きな前進。だが田辺の元には、早紀江さんからこんなメッセージが届く。「この9月初旬は天国か地獄か、苛立たしい思いです」。心の友の真保さんにも、この先もまっ暗ですとのメールが。後に早紀江さんは打ち明けた、「最悪の状態の人もきっといる、うちも含めて」。ようやく動き出したからこそ、結果への覚悟も強いられる当事者の現実。「…どんなにボロボロになっていても、親の手で最後を迎えさせてやりたい」。老いてなお終わらない、親としての苦悩。
いっぽうの父・滋さんが田辺を誘い出した先は、酒場。かつての特撮番組のキャラクターをあしらった、話題の店だ。明るくふるまう滋さんに、田辺はつい尋ねる、「…最近、どんどん寡黙になっているのでは」。滋は「…一度は死んだと言われた。そうなってる可能性もあるけど、今は生きている前提でやってるから」。後はただ押し黙り、杯を重ねた。
そして調査報告は延期された。宙づりが続くなか迎えた、めぐみさん50歳の誕生日。11月には、家族を悲劇が襲ったあの日から37年…
過酷な時間を耐えながら生きる二人の時間を、カメラは見つめ続ける。
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