川内原発再稼働同意:「命の問題発生せず」鹿児島知事
毎日新聞 2014年11月08日 00時21分(最終更新 11月08日 00時46分)
市民にも反発が広がっている。福島から子供2人と鹿児島県いちき串木野市に避難しているパート従業員の女性(39)は「福島も絶対安全と言われていた。経験しないとわからないのだろうか……」と声を漏らした。
◇福島の避難者「とんでもない」
「福島の教訓はないのか」「一日でも早く再稼働を」−−。鹿児島県が原発立地県で初めて再稼働に同意したことで“第2陣”をにらみ、原子力規制委員会で審査中の原発が立地する自治体の住民からは新規制基準などへの不安が聞かれる一方、再稼働が地元経済にもたらす効果を期待する声も交錯した。
佐賀県玄海町の岸本英雄町長は地元の九電玄海原発の再稼働に期待を示し「川内原発への同意が多少の後押しにはなる」と話した。同町の旅館経営、山口均さん(65)は「鹿児島県知事の考えには大賛成だ」と評価した。
一方、佐賀県の市民団体「玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会」の石丸初美代表(62)=佐賀市=は「福島第1原発事故の検証も済んでいない。新規制基準は穴だらけだ」と批判した。
東京電力福島第1原発が立地する福島県大熊町から同県いわき市に避難中の無職、宮本明さん(64)は「避難している当事者とすれば、再稼働はとんでもないという気持ち。決める前に川内の人たちに事故が起きればこういう状況になると見てもらいたかった」と訴えた。一方、大熊町の渡辺利綱町長は「再稼働は許されないという気持ちはあるが、他県のことでそれぞれの事情をかんがみて判断されると思う。経済優先でなく、きちんと安全を確認してやる大切さは福島県民が一番よく分かっている」と複雑な心境を語った。【原田哲郎、松尾雅也、松野和生、喜浦遊】