岐阜新聞
戦前の「ゾルゲ事件」でスパイ容疑を着せられ、中国で27年間も幽閉生活を強いられた日本共産党元幹部伊藤律氏(1913〜89年)を研究する中国の大学教授らが6日、律氏の故郷瑞浪市を訪問。生家では遺族らと面会し、思い出話などに耳を傾けた。
ソ連の諜報員リヒャルト・ゾルゲと新聞記者尾崎秀実が、日本政府の最高機密情報をソ連に流した国防保安法違反(スパイ容疑)などの罪に問われ、東京拘置所で処刑され、7日で70年目を迎える。
共産党が無視を決め込む中、中国側からの資料が発掘されたら、またいろいろ党にとって困ったことになるのではないかな?
神聖にして侵すべからざる日本共産党の権威に傷を付けないためには、都合の悪いことはぜんぶ特定の個人のせいにしなければ辻褄が合わなくなるからだ。
共産党はこれまでもずっとそうしてきたし、これからもそうしていくつもりだろう。
「野坂参三とは何者で、彼がいつどこで何を行い、なぜソ連のスパイになり、多数の同志を闇に葬ったのか?」ということについて説明できなければ、日本共産党の歴史をマトモに解説することはできない。
平たく言えば、野坂の生涯は日本共産党の戦前・戦後史の核心部分そのものだと言ってよい。
仮に野坂の存在を消し去るなら、日本共産党の歴史にはいったい何が残るのと言うのか?
そんな野坂のことをトカゲのしっぽのように扱う日本共産党の歴史認識は、それこそ「頬かむり」の自己欺瞞に満ちたものだ。
野坂のやってきたことを善い面も悪い面も含めて「日本共産党のやってきたこと」として総体的に引き受ける覚悟がなければ、「日本共産党の歴史に誇りを持つ」などと軽々しく言うべきではない。