年金運用に関する政府の不可解な動きの一つが、国家公務員共済年金の問題だ。自民党政権はかつて、グリーンピア・サンピア問題や「消えた年金問題」と立て続けに年金を消失させてきたが、いずれのときも、国家公務員共済年金は大きな「消失」を免れてきた。同じようなことが起きてようとしている。年金の運用先について、国民年金・厚生年金と公務員共済年金の差が顕著になってきたのだ。
国家公務員共済は、株式の比率が非常に低く、現在8%となっている。国民年金・厚生年金の国内株式比率は今回12%から25%に変更されたため、その差は極めて大きい。
この理由について、政府の説明は「(共済年金は)積立金の取り崩し需要が相対的に高いため満期あるいは元利利払いの金額が確定している国内債券への投資を重視」(5月23日厚生労働委員会の財務副大臣答弁)だそうだ。債券と株式では取り崩しの仕方に違いがあるというのは実に不可解な説明である。本音は、公務員の年金は、安全資産での投資を重視したいということなのではないかと勘繰りたくもなる。
重要なのは、政府の姿勢である。国民年金・厚生年金は株式比率を高めてリスクに晒しておきながら、足元の国家公務員共済は安全資産で投資を行うという、このような自己矛盾した姿勢が、国民の理解を得られるとは到底思えない。
共済年金は、法令上、運用に関する規制はほとんどなく、運用先の変更は容易にできるはずである。政府の姿勢を示すには、国民年金や厚生年金の運用先を変更する前に、国家公務員共済が率先してリスク資産で運用するべきである。
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