2014
現在、アジア進出の足がかりとして、シンガポールで事業展開する企業は後を絶たず、年間500万人ものビジネスマンが出張で同国を訪れている。こうした人たちは何度もシンガポールを訪れるケースが多く、同国に出張でやってくるビジネスマンのうち、61%がリピーターだ。
また、医療技術が優れているシンガポールではメディカルツーリズムが盛んで、健康診断や簡単な治療を受けるために同国を何度も訪れる海外セレブも多い。
しかし、海外旅行者にとって、手荷物の管理は決して楽なものではない。必要な衣服や下着、洗面用具、気に入っているシャンプーなどを詰めたり、手荷物を持ち運び、空港のバゲージクレーム(手荷物受取所)で待たされる時間はなかなか負担が大きいものだ。
1回きりの旅行ならまだ荷物を詰める楽しみもあるが、何度も出張するビジネスマンともなれば、負担を感じる割合の方がはるかに大きいだろう。
今回ご紹介する「Packnada」は、そうしたビジネスマンの荷物の準備の準備・運搬の負担を軽減するために生まれたサービスだ。
同サービスでは衣服や洗面用具などの必需品を現地に預けておくことで、シンガポールを訪れる際に連絡を入れておくことでホテルに届けておいてくれる。また、預けている間にクリーニングを施し、いつでも引き出し可能な状態にして保管しておいてくれるのが特長だ。
Packnadaの創業者は、Jonathan Lee氏(写真左、以下リー氏)とJohnbosco Ng氏(写真右、以下ウン氏)。2人はオーストラリアのロイヤルメルボルン工科大学(RMIT)の学友であり、メディアエージェンシーのMindShareシンガポールで一緒に働いていた同僚でもある。
Packnadaのアイディアは、出張で香港を訪れたときに、バゲージクレームでかなり長い時間待たされたことから思いついたという。
手荷物の支度やバゲージクレームで荷物を受け取るまでの手間や時間は、頻繁に旅行する人たちにとってはストレスとなる。
特に何度も出張を繰り返すビジネスマンにとっては負担が大きく、ビジネスで旅行している人たちの59%が不満を抱き、5人に1人が頻繁な出張は断りたいと考えているそうだ。
そこで彼らの負担軽減にとリー氏らが考えたのが、あらかじめ荷物を預けておいて、必要なときにいつでも送ってもらえる、クラウドストレージのようなサービスだった。
"もし目的地に荷物が既にあれば長蛇の列に並ぶこともないだろう? パッキングする必要だってそもそもあるかな? ネットではクラウドストレージを利用してファイルにアクセスできる。どうして出張や旅行用の荷物でそれをやらないんだろう、と思ったんだよ"
リー氏
リー氏らはこうしたコンセプトの元ビジネスを始動。3万9700ドル(約418万円)の資金提供を受けると、2013年6月に「Packnada」をロンチ。シンガポール内のホテルと提携し、同国を訪れるビジネスマンをターゲットにサービスを開始したのである。
Packnadaの利用者層は、出張で何度もシンガポールを訪れるビジネスマン。スケジュールがギッシリ埋まっていて多忙な彼らの手間や負担を大きく軽減できるのがこのサービスの強みだ。
利用者は、あらかじめ出張先で必要となりそうなアイテム20点以内を選び、現地のホテルのコンシェルジュに直接渡しておく。1回目の利用時は行きは自分で荷物を持ち込み、帰りはホテルに預けて帰国する形となる。こうした利用形態を反映してか、利用料金は2回分まで無料だ。
サイトに預けるアイテムはジャケットやブレザー、下着や靴下、ネクタイ、靴などの衣服が中心だが、シャンプーや洗面用具なども17.6×25cmのポーチに入れて保管できるという。なお、これらのアイテムすべてを入れる袋をサイトの方で用意してくれるため、別途カバンなどを準備する必要はない。
その後は、シンガポールを訪れる予定が入ったときに、出発日の24時間前までに、到着日や時刻、フライト情報、宿泊先などをサイトやアプリを通して連絡すればよい。するとPacknadaから折り返し確認メールが届き、到着までに宿泊先にアイテムを届けてくれる。こうすることで利用者は時間のかかるバゲージクレームに煩われることもなく、最小限の荷物で行動することができるようになるのだ。
帰国時には、再度ホテルに荷物を預けておく。その間、サイトと提携した業者によってクリーニングが施され、次回の利用に備えて、湿度をコントロールした専門の部屋に保管される。
さて、気になるのが料金だ。1回ごとの利用で99ドル(約1万円)となっている。この値段を高いと見るか、安いと見るかは、見る人次第だ。Packnadaの顧客を改めて確認してみると、シンガポールに何度も出張するビジネスマンである。彼らの所得は非常に高いだろう。しかもおそらく、Packnadaの利用費は経費で落とすはずだ。
つまり、お金を払う真の顧客は法人である。法人から見れば、バゲッジクレームに並ばせる時間があるのなら、すぐにでも打合せに行って欲しいだろう。出張する社員を快適に送り出す必要もある。ハイクラスの社員であれば飛行機もビジネスクラスを手配する必要もあるだろう。ビジネスクラスとエコノミークラスの料金差は説明不要だ。
そう、真の顧客である法人から見ればPacknadaの99ドルなんて極めて些細な金額、ビジネスクラスのオマケみたいなものなのだ。
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