宮城県のニュース
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震災を教訓 大規模訓練始まる
東日本大震災を教訓に、陸上自衛隊が自治体や民間企業のほかアメリカ軍などと共同で行う大規模な災害訓練が、東北地方の沿岸部を中心に、6日から4日間の日程で始まり、塩釜市では、民間企業などと連携して物資を運ぶ訓練が行われました。
陸上自衛隊が東日本大震災の教訓を反映させて実施したこの訓練には、東北6県の52の市町村のほか民間企業も参加しました。このうち塩釜市で行われた物資の輸送訓練には、民間の運送会社などから14人が参加し、市内の公園で水が入った段ボール10箱をトラックから取り出したあと陸上自衛隊のヘリコプターに積み込む作業を行いました。
震災では、塩釜市に全国から大量の支援物資が届きましたが、塩釜市は、震災の直後に、民間の運送会社と連携して運ぶという考えはなく、物資の多くが体育館に滞ったということです。
今回の大規模な災害訓練では、県庁でも関係機関が連携して被害を確認する訓練が行われました。
県庁に設けられた訓練の災害対策本部では、16の機関から担当者150人が集まり、互いに連携しながら各地の被害状況を確認した上で、病院と連絡を取って負傷者をいち早く運ぶ作業を進めていました。東日本大震災の津波で大きな被害を受けた仙台市の下水処理施設では、ビルの屋上から自衛隊と消防のヘリコプターがけが人を引き上げて救助する訓練が行われました。訓練が行われた仙台市宮城野区の沿岸部にある「南蒲生浄化センター」では、東日本大震災で津波に襲われ、施設に取り残された101人の職員と作業員が、建物の屋上からヘリコプターで救助されました。6日は、震災当時に救助が行われた屋上でけがをした人を助け出す訓練が行われ、自衛隊と仙台市消防局の2機のヘリコプターの隊員が、特殊なケーブルを使って地上に降り立ったあと、けが人を抱えて上空まで引き上げていました。南蒲生浄化センターの石川敬治所長は「今までの自分たちだけでの訓練とは異なり、緊張感も得られていい勉強になりました。今後もこうした訓練に参加したい」と話していました。
【オスプレイ 7日に飛来へ】
今回の大規模災害訓練では、アメリカ軍の新型輸送機、オスプレイが東北地方に初めて飛来し、7日から訓練が予定されている宮城県内では、飛行に反対する声が上がっています。オスプレイは、垂直に離着陸するヘリコプターと、水平に飛ぶ飛行機の2つの機能を兼ね備えた新型の輸送機です。
沖縄県内に配備されているアメリカ軍のオスプレイ2機は、7日、仙台市に飛来したあと、石巻湾の沖合に停泊している海上自衛隊の輸送艦「くにさき」で、離着陸訓練を行います。また8日には仙台市と気仙沼市大島を往復し、物資や患者を輸送する訓練などを行う予定です。陸上自衛隊によりますと、東北地方にオスプレイが飛来するのは今回が初めてですが、訓練の飛行経路については米軍から情報が入っていないため公開できないということです。
オスプレイはおととし10月に沖縄県に配備される前に海外で相次いで事故を起こしていて、機体の安全性に疑問が持たれています。
このため県内でも仙台市や気仙沼市で5日までに反対集会が行われ、機体の安全性や、飛行経路について市民に十分な説明がされていないとして、飛行に反対する声があがっています。
陸上自衛隊の仙台駐屯地で記者会見を行った、東北方面総監部の松村五郎総監は、アメリカの新型輸送機、オスプレイが訓練に参加することについて、「いざという時にアメリカ軍に力を発揮してもらうために、オスプレイは1つの有用な手段で、日頃から一緒に訓練をしておかないと安全に救助活動ができない」と話しました。
その上で安全性への懸念については、「装備品として導入して以降は、ほかのヘリコプターと比べても事故率は低いので安全性は高いと考えている」と述べて理解を求めました。
また訓練の目的について、松村総監は、「東日本大震災の一番大きな教訓は、発生直後に被災者がどこでどういう救助を必要としているのかを把握することだった。自治体と迅速に情報を共有するために、日ごろから連携を訓練することが重要だ」と話しました。
11月06日 19時20分