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ありのままでと娘の決断−87歳認知症の母、徘徊の自由で戻った笑顔

Bloomberg 11月4日(火)7時56分配信

同じ買い物

イオンのグループ環境・社会貢献部の塚田公香マネージャーによると、認知症の顧客は、同じ物を繰り返し購入したり、会計前に財布を見つけられなかったりするという。支払いせずに商品の封を切って食べたり、ショッピングモールで迷子になったりしてなかなか見つからないこともあると塚田氏。イオンは2007年から認知症教育に取り組み、現在では国内従業員40万人の1割が講座を受けたという。

金銭を取り扱う銀行にも苦労がある。東京の八王子長房郵便局で、局長を20年務めた浅原ユリ子氏によると、現金自動預払機(ATM)の暗証番号を忘れたり、現金を引き出したこと自体を覚えていなかったり、1日に何度も通帳を紛失したりする高齢者が増えているという。

みずほフィナンシャルグループ広報担当の塩野雅子氏によると、同社では銀行のフロア係1400人が認知症講座を受けたという。住友生命保険相互会社も4万人の従業員のうち4分の1が講座を受けた、と広報担当の岩口和洋氏が述べた。

攻撃的

米国アルツハイマー協会によると、認知症患者は物理的な不快感や人混み、知らない人たちに対して攻撃的になる。アサヨさんほど進行すると、施設に送られ、興奮を抑えるために薬剤を投与されることもある。厚労省研究会の調査によると、日本では認知症患者の12%が入院している。かかりつけ医、看護師、老人ホームでさえも、異常行動を持った認知症患者とうまく付き合うアドバイスができなかったり、人材不足だったりするためだ。英国やフランスの入院率は1%以下と低い。

医師は認知症患者の興奮を抑えるために、抗精神薬を投与することがある。たとえば、ブリストルマイヤーズが販売するエビリファイや、アストラゼネカが販売するセロクエルなどだ。患者が自分自身を傷つけないように、また介護者の身の安全を守るために使用すると、メイヨークリニック・アルツハイマー病研究センター長のロナルド・ピーターセン氏は言う。

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最終更新:11月4日(火)11時55分

Bloomberg

 

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