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オレンジプランに代わる新戦略、年内策定へ−認知症イベントで首相が表明

医療介護CBニュース 11月6日(木)20時12分配信

オレンジプランに代わる新戦略、年内策定へ−認知症イベントで首相が表明

認知症対策の新プラン策定に意欲を見せた塩崎厚労相(6日、都内)

 厚生労働省は、現行の認知症施策推進5か年計画(オレンジプラン)に代わる新たな戦略を策定する。年内を目途にまとめ、来年度予算編成に新プランの内容を反映させる方針だ。新戦略は省庁横断的な取り組みを前提に、昨年度に始まったオレンジプランを強化したもので、認知症の人が地域で長く生活できる社会の構築を目指す。東京都内で開かれた「認知症サミット日本後継イベント」で安倍晋三首相が6日、新プランの策定を表明し、塩崎恭久厚労相に取り組むよう指示した。【丸山紀一朗】

 同省は2012年9月、急増する認知症高齢者などに対応するため、13-17年度の認知症施策の推進計画としてオレンジプランを公表した。同プランには、症状の進行状態に応じた「認知症ケアパス」の作成・普及や、認知症初期集中支援チームの設置のほか、本人や家族の手助けを行う認知症サポーターを累計600万人まで増やすといった数値目標も盛り込まれた。

 塩崎厚労相は6日、同イベントの閉会式であいさつし、新プランの策定に意欲を見せた。策定に向けた3つの基本的な考え方も表明し、その1つに、認知症の人が住み慣れた地域でできる限り長く生活することを目指した「認知症地域包括ケアシステム」の実現を挙げた。具体的には、「医療・介護サービスが有機的に連携し、認知症の進行状態に応じて切れ目なく対応できる循環型のシステム」と説明した。オレンジプランの目標数値を、一部引き上げることも検討する。

 また、塩崎厚労相は、新戦略は省庁横断的なプランにするとし、▽認知症への理解を深めるための普及啓発▽認知症の人が生活しやすい環境整備や生活支援▽認知症の人の就労・社会参加支援や安全確保▽ICTの活用▽介護者への支援▽認知症予防などのための研究開発の推進▽国際連携-などの課題を含めた内容にする考えを示した。さらに、施策を推進する際には、認知症の本人やその家族にしか分からない視点に立って取り組んでいくとした。

 厚労省は今後、同省のほか内閣府と警察庁、金融庁、消費者庁、総務省、法務省、文部科学省、農林水産省、経済産業省、国土交通省の担当者らで構成する「認知症高齢者等にやさしい地域づくりに係る関係省庁連絡会議」を活用するなどし、新プランの内容を詰める。同会議は昨年9月に設置され、今年9月までに2回の会合を開いた。

最終更新:11月6日(木)20時12分

医療介護CBニュース

 

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