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 東京電力は5日、建屋が爆発した福島第一原発4号機の燃料プールから、使用済み燃料を取り出す作業を終えた。残る未使用燃料の運び出しも年内に終わる予定で、4号機の廃炉作業の最も重要な工程の見通しがついた。強い放射線を発し、熱の放出も続く使用済み燃料を全て建屋の外に出したことで、リスクは大きく減った。

 4号機は東日本大震災発生時に定期点検のために運転停止中で、燃料集合体1535体(使用済み1331体、未使用204体)が建屋上部にある燃料プールに保管されていた。ほかと比べて4号機が最多で、震災発生直後にプールの冷却装置が止まった際には、燃料が熱で溶けて放射性物質が大量放出する恐れがあると世界中に伝わった。

 燃料の取り出しは、昨年11月に本格的に始まり、専用の容器を使って建屋西側にある共用プールに移送してきた。当初は、燃料取り出し装置にがれきの破片が挟まって作業不能になったり、破片で燃料が損傷したりする事故が心配されたが無事に進んだ。