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有休消化、企業に義務付け 厚労省が案を提示

2014/11/5 20:22
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 厚生労働省は5日、労働政策審議会(厚労相の諮問機関)の分科会を開き、企業に有給休暇の消化を義務付ける案を提示した。社員ごとに年数日の有休をあらかじめ指定して、低迷する取得率を引き上げる。中小企業の残業代を引き上げることと合わせ、企業に長時間労働の是正を促す。

 日本の有休の取得率は50%を下回り、100%近い欧州と大きな開きがある。社員から取得を申し出る今の仕組みは職場への遠慮で休みにくいとの指摘があり、企業があらかじめ有休を指定する欧州式の仕組みを導入する。労使の代表も容認する見通し。日数や手続きは今後詰める。

 休日を増やすだけでなく、残業も減らす。厚労省は中小企業の残業代を引き上げる方針だ。月60時間を超える残業に、通常の50%増しの賃金を払うことを義務付ける。今の25%増しから大企業と同じ水準に引き上げて、長時間労働を減らす。

 ただ運送業は荷物待ちなどで労働時間が延びやすい。この日の審議では中小企業の経営者から「運送業の自助努力には限界があり、一律引き上げに反対」とする声が上がった。今後、国土交通省と連携して対策を検討する。

 一方、終業から翌日の始業までに、最低11時間空ける「インターバル規制」は労働側が強く求めたものの、経営側は「繁忙期の仕事や、時差のあるグローバルな対応に支障が出る」と反対した。年間の残業時間に上限を設ける案にも、経営側は「突発的な事態に対応できなくなり、企業競争力の低下につながる」と強く反対し、審議は平行線だった。

 厚労省は審議結果を反映させた労働基準法の改正案を2015年の通常国会に出し、16年春の施行を目指す。専門職らの労働時間規制を緩める改革と同時に進め、働く人の健康を確保する。

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厚生労働省、厚労省、労働政策審議会

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