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MONOはなぜ海外で認められた? 世界で戦うための心構えを学ぶ

インタビュー・テキスト:柴那典 撮影:田中一人(2014/11/05)

「ノイズにも意味がある。歓喜、怒り、祈り……僕らはその意味を知って出すということをしなくちゃいけないんです」

これは約15年前、筆者が初めてMONOというバンドに出会ったとき、フロントマンのTAKAが語っていた言葉だ。その頃はまだ、誰も彼らのことを知らなかった。下北沢の小さなライブハウスで、誰にも相手をされないまま、濁流のような轟音を鳴らしていた。

それから月日は経ち、彼らはアメリカで、ヨーロッパで、世界中で少しずつ地盤を固めていった。メディアの宣伝にも頼らず、独立独歩のまま、支持を拡大していった。インストゥルメンタルのポストロックというスタイルだけを言うなら、似た方法論からスタートしたバンドは他にもたくさんいる。しかし、彼らが抜きん出ていたのは、最初から鳴らす音の一つひとつに強い「意味」を託していたことだった。

『The Last Dawn』と『Rays of Darkness』という2枚同発のニューアルバムでも、そのことは貫かれている。それぞれ「光」と「闇」を対照的に描いたという新作。前作『For My Parents』に至る数作では、オーケストラと共に壮大な音風景を描いてきた彼らだが、新作は再びバンドに立ち返ったサウンドになっている。『Rays of Darkness』では再び彼らの原点である凶暴なノイズを放ち、一方『The Last Dawn』では、巨大な達成感や充足感に満ちた音を奏でている。

果たして彼らは何を目指し、何を描こうとしたのか。それは音楽だけでなく、彼らが歩んできた生き様にも、深く関わることだった。

PROFILE

MONO(もの)
1999年結成。当時、日本で自分達の音楽を鳴らせる場所と機会に限界を感じたバンドは、その活路と演奏出来る機会を海外に求め、2000年にNYヘと渡る。最初のライブでのオーディエンスは僅か5名足らず。言葉の壁もあり、NYでの活動も苦闘の連続。しかしそこを活動の場所と決めたバンドは、楽器を売り払い、ガソリン代を捻出しながらもライブ活動を継続する。その強靭で無限のサウンドスケープを見せる演奏は注目を集め、徐々にライブ規模を拡大。その後は毎年150本にも及ぶツアーを行うようになる。2004年にはUS有力インディペンデントレーベルTemporary Residentsと契約。その後も歩みを緩めることなく、北中米、ヨーロッパ、アジア、と精力的にツアー及び、フェスティバルに出演、揺るぎないファンベースを獲得する。そして、15年の歳月を経て、さらにその表現の深度と強度を極限まで高めたMONOが自分達のサウンドを見つめ直し、自身の最長不倒を更新し新たな出発を告げる作品、『Rays of Darkness』と『The Last Dawn』を2014年11月5日に同時リリースする。
MONO | Official Website | 新アルバム"The Last Dawn" & "Rays of Darkness"予約開始!

今って、夢半ばで諦めざるを得ない心境の人とか、生きる希望が持てなかったりする人が、たくさんいるじゃないですか。

―ニューアルバムはここ数作のアプローチとは大きく違いますが、どういうスタート地点から作っていったのでしょう?

TAKA:たしかにサウンド面では、今までのアプローチはとってないですね。簡単に言うと、オーケストラは使っていない。というか、まず最初に生半可な希望はいらないと思ったんです。痛みとか叫びのような音楽にしたいと、前作のアメリカツアー中に思いました。それと同時に、闇の住人と光の住人の2つを描きたいと思ったんです。

Takaakira“Taka”Goto
Takaakira "Taka" Goto

―闇の住人と光の住人というと?

TAKA:とある将来を有望視されたスポーツ選手の話をたまたま聞いたんです。その人はスポーツに命を懸けていたし、それ以外の将来を考えられなかった。でも、あるとき大怪我をしてしまって、一生スポーツができない身体になってしまった。その時点では、希望もなく、目的も失ったわけです。死にたいぐらいの気持ちになった。でも、その数年後にスポーツ選手が怪我をしないようにするための本を書いたんです。怪我をしたときは闇の中ですよね。本当に何の光も感じられないような、人生を呪うくらいの気持ちだったのが、後々それは必要なことだったということに気付くことができたんです。

―そういう闇と光のコントラストを描くというのが、最初のモチーフになったと。

TAKA:今って、夢半ばで諦めざるを得ない心境の人とか、将来に不安があったり、生きる希望が持てなかったりする人が、たくさんいるじゃないですか。だけど、そこで感じる闇と、その先の光を描ききれば、そういう人たちが壁を乗り越える1つの手助けになるんじゃないかと思ったんです。


―今回の2枚のアルバムは、『Rays of Darkness』が闇、『The Last Dawn』が光を表現しているわけですよね。

TAKA:そうですね。

―特に『Rays of Darkness』は、2001年にMONOが最初に作った『Under the pipal tree』を思い起こしたんです。あのときに通じるような感覚はありましたか?

TAKA:あのときは、自分たちの居場所がなかったですからね。日本にも居場所がないし、海外に求めてもやっぱりなくて、どうしていいのかわからなかった。そういう混沌としたところから、かすかな光が見えていった。そこから自分の居場所がだんだん見つかってきて、少しずつ満たされてきて、多くの人と音楽をシェアしてきた。そのときの感覚に似てるかもしれないですね。

―前々作の『Hymn To The Immortal Wind』(2009年)では歓喜を表現して、前作の『For My Parents』(2012年)でさらに大きな歓喜を表現していた。しかし、今回のアルバムでMONOが表現しようとしているのは、歓喜ではないですよね。その理由は何でしょうか?

TAKA:これだけシャキっとしない時代ですからね。世の中のスピード感も速いし、ついていけない人も溢れかえっていて、かつての僕みたいに居場所がない人がたくさんいる。そういう人にかけてあげる言葉があるとすれば、それは「叫び」なんですよ。「叫び」がエナジーでした。結成当時も、僕は居場所がなかったから叫んだし、居場所を探して海外に出たわけで。そうして世界に自分を認めてもらって、ようやく感謝が生まれたんです。そこで自分が生まれてきた理由、音楽をやってる理由がやっとわかったっていうか。

―音楽をやってる理由というと?

TAKA:現実の社会の流れとまったく違うMONOという世界が、僕には存在してたんです。そう思えました。世界に出る前は、自分の居場所が確立するなんて、まったく感じてなかったですからね。永遠にアンダーグラウンドな存在で、お客さんも2〜30人くらいしかいなくて、どうにもならないと思っていた。だから、今の時代の流れのスピード感についていけない子たちにも、こういう叫びがあること、未来には可能性があることを伝えたいという気持ちがあります。


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