日本文化伝える「もしもしにっぽん」 きゃりーぱみゅぱみゅを育てた手腕と感性
SankeiBiz 11月3日(月)8時30分配信
日本をもっと世界に知ってもらいたい。そんな思いを抱く国や大企業が、「クール・ジャパン」というスローガンを掲げ、日本製品の世界展開や日本への観光客誘致に努めている。そうした動きの中、東京・原宿にある企画会社のアソビシステムが独自に立ち上げたプロジェクトが「もしもしにっぽん」だ。世界中から注目を浴びる所属アーティストの「きゃりーぱみゅぱみゅ」を育てた手腕と感性で、日本の文化を世界にアピールするプロジェクトを着々と進めている。
「SPECIAL GATE For Foreigners」と書かれた看板の横に外国人の大行列ができた。東京体育館(東京都渋谷区)で9月28日に開かれた「もしもしにっぽんFESTIVAL 2014」というイベントでの光景だ。あらかじめ都内で配布された優待券とパスポートなどを持参した外国人は、入場が無料という前例のあまりない料金システムで、開催前から注目を集めていたイベントだった。
無料だからといって、興味のないイベントに出向くほど、誰も時間に余裕がある訳ではない。だが、このイベントはきゃりーぱみゅぱみゅをはじめ、日本のアイドルやミュージシャンがライブを行い、ファッションのショップやB級グルメの屋台も軒を並べ、日本のポップカルチャーをトータルで見てもらおうとしたもの。日本在住の外国人や来日中の外国人らが、自分たちでも楽しめそうとどっと繰り出し、1万5000人の来場者のうち7000人が外国人という、国内で開かれたイベントでは珍しい比率を記録した。
「音楽だけでなく、ファッションやフード、カルチャーを伝えるような切り口で、日本のことを知ってもらえるようになれば」。イベント当日、ライブを前に企業関係者を集め、「もしもしにっぽん」プロジェクトの概要を説明したアソビシステムの中川悠介社長が訴えたのは、日本の良さを外国人にアピールできるような場の必要性だった。
アソビシステムが「もしもしにっぽん」プロジェクトを発足させたのは、今春のこと。日本発の“KAWAII(可愛い)”カルチャーに関する情報を、ウェブサイトから世界に発信したり、きゃりーぱみゅぱみゅがホストとなったテレビ番組を、世界150の国や地域で放送したりと、さまざまなコンテンツを通して日本の“筍”を伝えてきた。フランスで毎年開かれているジャパンエキスポにも、日本から多くの企業を引き連れて出展し、「もしもしにっぽん」が推す文化や製品を紹介した。
イベントは好評だったとして、中川社長は「現地の企業が主催しているからこそ、現地の人に来てもらえるというのはある」と、ジャパンエキスポのような海外イベントに出展する意義を感じている。その一方で「海外で受けるという事実があるなら、それから先のビジネスを日本側で展開していかなくてはいけないのでは」とも考えた。
「もしもしにっぽんFESTIVAL」の開催も、自分たちで情報を探して、出店者や出品物を集めて外国人が楽しめる場を作りながら、ひとつの形を示すものだった。思惑は当たり、ステージ回りに用意された外国人専用エリアには、夜になった終演まで多くの来場者がとどまって、トリを飾ったきゃりーぱみゅぱみゅのライブに声援を送っていた。
「もしもしにっぽん」プロジェクトはこれから大きく動いていく。まずはこの冬、東京・原宿に観光案内所をオープンする。美術監修を担当するのは、ファッションや雑貨を扱うショップ「6%DOKIDOKI」の運営を通じて世界中に顧客を持ち、アーティストとしてきゃりーぱみゅぱみゅの舞台美術も手掛ける増田セバスチャン氏で、原宿ならではのポップな雰囲気を持ったスポットを作り上げる。外貨両替や旅行案内・宿泊手配、宅配サービスといった外国人に便利な施設も用意して、海外からの旅行客がここを拠点に日本各地の観光スポットへと向かっていくようなハブを目指す。
渋谷区観光協会の原宿出張所との位置づけもあり、9つの地元商店会が連名で外客誘致推進室を運営する。海外のおしゃれなスポットと“シスター(姉妹)ストリート”提携なども行って、日本が海外に出ていく窓口としても活用してもらうというから、ビジョンはなかなか壮大だ。「もしもしにっぽん」自体も海外へと積極的に出ていく。台北やサンフランシスコ、ロサンゼルス、ロンドン、パリなどで来年、「もしもしにっぽん2015」を開催して、各都市で1万人以上を集めたいと夢は大きい。
課題があるとしたら、アソビシステム単独では事業展開にはやはり限界があるということ。イベント開催に合わせて企業向けセミナーを開き、中川社長や増田セバスチャン氏がプロジェクトを説明したのも、海外進出や外国人向けのビジネスを検討する企業にパートナーとして参加してもらい、いっしょにプロジェクトを盛り上げて欲しいという思惑があった。
セミナーにはエンターテインメント企業に限らず、流通関連や法律事務所などの関係者も中川社長らと歓談していたが、ビジョンに共鳴する企業が出てくれば、プロジェクトの成否の行方も変わってきそう。海外展開については、出版社を中心としたコンテンツ企業も独自に行っている。こうした企業などとも連携できれば、こぎ出した船は船団となり、世界の荒波を突き進める。同じ方角を目指す者たちが協力しあえるような雰囲気作りも、クール・ジャパンが見かけ倒しで終わらないために必要と言えそうだ。
最終更新:11月3日(月)8時30分
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