ニュース
» 2014年11月05日 08時23分 UPDATE

「サラリーマンは奴隷」……“自分探し”の大学生が手を出した「占い講座」のワナ (1/4)

「サラリーマンは『仕事の奴隷』」――大学生たちが自らの将来を切り開こうと、次々に手を出したのは代金50万円の「占い講座」だった。古典的ともいえる悪質商法に、学生らはなぜ飛びついたのか。

[産経新聞]
産経新聞

 「サラリーマンは『仕事の奴隷』。沈没船に乗っているのと同じだ」−。大学生たちが自らの将来を切り開こうと、次々に手を出したのは代金50万円の「占い講座」だった。自己啓発に向けた投資名目をうたい、高額で実態のない占い講座の受講契約を締結させたなどとして、被害当時いずれも関西大の学生だった5人が運営会社側に損害賠償を求めた訴訟で、大阪地裁は9月、請求全額の支払いを命じる判決を言い渡した。古典的ともいえる悪質商法に、学生らはなぜ飛びついたのか。将来に苦悩する現代の若者の姿が訴訟から浮かび上がる。

「人間力」高める占い?

 「企業の社長が参加する飲み会がある。来ないか」。判決などによると、関西大システム理工学部の4年生だった男性がトラブルに巻き込まれたきっかけは平成23年夏、高校の同級生から受けた一本の電話だった。

画像 「占いセミナー」などを名目にした悪質商法への注意を大学生らに呼びかける4コマ漫画(関西大の学生向け広報誌「かんだいLIFE」より引用)

 サークル活動なども忙しく、男性は2〜3回は誘いを断ったが、同年冬に再び誘いを受けた。約束の場所で会った同級生がかつてと違い、生き生きと将来の夢を語る姿に衝撃を受けた。

 「自分が成長できたのは、起業家とかかわっているから。起業家を育てているオーナーらとの人間関係のおかげだ」

 同級生の話に「自分もそのグループとかかわりたい」と伝えると、関大卒業生を名乗る1人の男を紹介された。経済が急成長するインドでの体験を語り、「今の日本には夢を追う人が少ない」「ネパールに本を1万冊寄贈することが夢」と熱弁する姿に魅了された。

       1|2|3|4 次のページへ

copyright (c) 2014 Sankei Digital All rights reserved.

ピックアップコンテンツ

- PR -
激変する企業ITシステムに対応するための知見を集約。 ITの新しい潮流に乗り遅れないために。