音楽ストリーミング・サービスなどの登場でエンターティメント産業は構造的な変革の波に晒されています。
その中にあってミュージカルや演劇から成るブロードウェイ(*)は空前の好景気に沸いています。
上のグラフからはブロードウェイが色々なショックを乗り越え、着実に成長している様子がわかります。
観客数は同じ期間に734万人から1,221万人に増えています。これはニューヨーク、ニュージャージー地域におけるアメリカン・フットボールをはじめとする全てのプロ・スポーツが、ヤンキー・スタジアムやマジソン・スクウェア・ガーデンなどの施設で動員する観客よりも多いです。
動員数より興行収入の伸び率の方が高い理由は、チケット代の高騰にあります。現在の平均チケット代はミュージカルが106.5ドル、演劇が93ドルです。
なお興行収入の80%以上はミュージカルから売上られています。
ブロードウェイがニューヨーク市にもたらす経済効果はザ・ブロードウェイ・リーグの試算では年間120億ドルと言われています。雇用創出効果は8万7千人です。
ブロードウェイで成功したミュージカルや演劇が全米を興行して回る(=Touring Broadway)ことも盛んです。こちらの興行収入は2013年の実績で9.31億ドル、観客動員数は1,380万人でした。つまり乱暴に言えば、ブロードウェイを拠点とした興行とほぼ同じサイズの巡業ビジネスが、マンハッタンの外に存在しているわけです。こちらの観客動員数や興行収入もブロードウェイと同じ感じで順調に伸びています。
なお観客の70%は女性であり、どの出し物を観るか? の決定権は女性が握っているそうです。また観客の75%が大卒、41%が修士か博士の学位を持っているそうです。平均世帯収入は1,598万円でした。
CDが売れなくなりミュージシャンが喰えなくなる中で、なぜブロードウェイは活況なのでしょうか?
その第一の理由は、ライブ・パフォーマンスだからです。
近年、消費者はモノやソフトウェア・コンテンツにではなく、エクスペリエンス……すなわち実際の「体験」にお金を遣う傾向があります。
一例としてミュージックCDは売れないけど、ライブ・コンサートは盛況なことが挙げられます。
第二の理由は、観客のグローバル化です。
わざわざブロードウェイでミュージカルを観るためにニューヨークへ行く……そういうファンが増えているわけです。
ブロードウェイは1970年代後半から1980年代前半にかけてかなり寂れた時代がありました。映画やTVに観客を奪われ、しかもブロードウェイ地区の治安が悪くなり、風俗産業が劇場街を占拠し、ファミリーが行きにくい場所になってしまったからです。
その後、1990年代にブロードウェイの「浄化」が始まり、リーマンブラザーズやモルガンスタンレーがブロードウェイの真ん中に本社を構えました。さらにウォルト・ディズニー(ティッカーシンボル:DIS)が42丁目の不動産を買占め、家族向きの街並み作りに貢献しました。
そのような努力が、こんにちの繁栄につながったというわけです。
(*)ここではニューヨークのマンハッタンのブロードウェイ地区にある、収容人員500人以上の大型の劇場で行われる興行を「ブロードウェイ」と定義します。このような劇場は、全部で40あります。
その中にあってミュージカルや演劇から成るブロードウェイ(*)は空前の好景気に沸いています。
上のグラフからはブロードウェイが色々なショックを乗り越え、着実に成長している様子がわかります。
観客数は同じ期間に734万人から1,221万人に増えています。これはニューヨーク、ニュージャージー地域におけるアメリカン・フットボールをはじめとする全てのプロ・スポーツが、ヤンキー・スタジアムやマジソン・スクウェア・ガーデンなどの施設で動員する観客よりも多いです。
動員数より興行収入の伸び率の方が高い理由は、チケット代の高騰にあります。現在の平均チケット代はミュージカルが106.5ドル、演劇が93ドルです。
なお興行収入の80%以上はミュージカルから売上られています。
ブロードウェイがニューヨーク市にもたらす経済効果はザ・ブロードウェイ・リーグの試算では年間120億ドルと言われています。雇用創出効果は8万7千人です。
ブロードウェイで成功したミュージカルや演劇が全米を興行して回る(=Touring Broadway)ことも盛んです。こちらの興行収入は2013年の実績で9.31億ドル、観客動員数は1,380万人でした。つまり乱暴に言えば、ブロードウェイを拠点とした興行とほぼ同じサイズの巡業ビジネスが、マンハッタンの外に存在しているわけです。こちらの観客動員数や興行収入もブロードウェイと同じ感じで順調に伸びています。
なお観客の70%は女性であり、どの出し物を観るか? の決定権は女性が握っているそうです。また観客の75%が大卒、41%が修士か博士の学位を持っているそうです。平均世帯収入は1,598万円でした。
CDが売れなくなりミュージシャンが喰えなくなる中で、なぜブロードウェイは活況なのでしょうか?
その第一の理由は、ライブ・パフォーマンスだからです。
近年、消費者はモノやソフトウェア・コンテンツにではなく、エクスペリエンス……すなわち実際の「体験」にお金を遣う傾向があります。
一例としてミュージックCDは売れないけど、ライブ・コンサートは盛況なことが挙げられます。
第二の理由は、観客のグローバル化です。
わざわざブロードウェイでミュージカルを観るためにニューヨークへ行く……そういうファンが増えているわけです。
ブロードウェイは1970年代後半から1980年代前半にかけてかなり寂れた時代がありました。映画やTVに観客を奪われ、しかもブロードウェイ地区の治安が悪くなり、風俗産業が劇場街を占拠し、ファミリーが行きにくい場所になってしまったからです。
その後、1990年代にブロードウェイの「浄化」が始まり、リーマンブラザーズやモルガンスタンレーがブロードウェイの真ん中に本社を構えました。さらにウォルト・ディズニー(ティッカーシンボル:DIS)が42丁目の不動産を買占め、家族向きの街並み作りに貢献しました。
そのような努力が、こんにちの繁栄につながったというわけです。
(*)ここではニューヨークのマンハッタンのブロードウェイ地区にある、収容人員500人以上の大型の劇場で行われる興行を「ブロードウェイ」と定義します。このような劇場は、全部で40あります。