Updated: Tokyo  2014/11/05 01:30  |  New York  2014/11/04 11:30  |  London  2014/11/04 16:30
 

ジャンク債デリバティブで逃げ足確保-機敏なツールに4500億円

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  11月4日(ブルームバーグ):ジャンク(投機的格付け)債市場で戦略がうまく運ばない場合、トレーダーはあきらめるか、創造性を発揮するか2つに1つの選択肢しかない。しかし、最近は後者を選ぶトレーダーが多くなっている。

高利回り債のリスクとリターンに連動するデリバティブ(金融派生商品)の比較的新しい指数 の需要が急拡大している。モルガン・スタンレー が集計したデータによれば、ボラティリティ(変動性)が過去1年余りで最も上昇する状況で、5月時点でほぼゼロだったトータルリターン・スワップ指数の取引高が9月に過去最高の40億ドル(約4540億円)に達した。

モルガン・スタンレーのクレジットストラテジスト、シバン・マハデバン氏(ニューヨーク在勤)は、個人投資家による資金の出し入れが落ち着きを失う中で、機敏に動ける手段を求めるファンドマネジャーからの需要も背景にあると指摘する。

ウェルズ・ファーゴ がまとめたデータによると、7-9月(第3四半期)にセンチメントが特に悪化したこともあって、高利回り債投信から今年に入り240億ドルが流出。しかし、10月29日に終了した週は逆に25億ドルの資金が流入した。 

米連邦準備制度が先月に債券購入プログラムを終了する一方、欧州中央銀行(ECB)と日本銀行は追加的な金融緩和に動いており、各国中銀の金融政策が互いに乖離(かいり)し始めている。このような状況に置かれた債券トレーダーは神経質になり、利回りの方向性にコミットできないと感じている。

その不安はリターンからも見て取れる。バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数のデータによれば、米国の高利回り債のリターンは7月にマイナス1.3%となった後、8月はプラス1.5%と回復したが、9月には再びマイナス2.1%に落ち込んだ。   

原題:Junk-Bond Derivatives Are Hot as Traders Prep for TighterExits(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Lisa Abramowicz labramowicz@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:Shannon D. Harrington sharrington6@bloomberg.netCaroline Salas Gage, Chapin Wright

更新日時: 2014/11/04 13:26 JST

 
 
 
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