【ジュネーブ=共同】国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は4日、世界で少なくとも1千万人(推定)に上る無国籍者を2024年末までにゼロにする新たな目標を発表し、取り組みを強化するよう各国に呼び掛けるキャンペーンを始めた。
無国籍者は、民族や宗教、男女差別などを背景に国籍を生まれた時から与えられなかったり、やむなく失ったりした人々。国籍がないと、教育や医療が受けられないなど多くの問題が生じる可能性がある。UNHCRは国籍付与に関する国内法の整備などの対策を各国に促す方針。
グテレス高等弁務官はジュネーブでの記者会見で「世界では10分に1人の割合で無国籍の赤ちゃんが生まれている。目標は野心的だが(実現の)見込みはある」と期待を示した。
UNHCRによると、無国籍者が多い国は少数民族ロヒンギャへの差別が根強いミャンマーをはじめ、コートジボワールやタイなど。
日本でも日本人の父と外国人女性の間に生まれた子供が、父親が認知せずに国籍がないまま育つケースがある。
UNHCRは難民支援のほか、無国籍者の削減や権利保護を任務としている。
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