ニッカウヰスキー柏工場(千葉県柏市)の製造ライン。写真は「ブラックニッカクリア」(アサヒビール提供)
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ニッカウヰスキーの「竹鶴」など一部商品が、予想以上の売り上げ増で生産が追いつかない状態にある。創業者、竹鶴政孝をモデルにしたNHK朝の連続テレビ小説「マッサン」人気の影響という。もともとはライバルのサントリー酒類が仕掛けたハイボールブームで火が付いたウイスキー人気。今度はニッカが主人公となり、ウイスキー市場全体を広げている。
売り上げが伸びているのは竹鶴のほか「余市」「宮城峡」など。中でも竹鶴の人気は高く、大阪市内の百貨店では「ドラマを見た」と指名買いする人の姿もみられる。1月以降、竹鶴の売り上げは前年同月比40%増の水準で推移。ニッカの柏工場(千葉県柏市)は休日返上のフル稼働状態だが注文に応じきれず、10月以降の出荷量を調整せざるを得ないという。
竹鶴の今年の販売目標は当初、前年比15・3%増の12万8千箱(1箱=8・4リットル換算)としていたが、ドラマの注目度が高まるにつれ売り上げは伸び、9月に同40%増となる15万5千箱に上方修正した。ところが、9月は前年同月比62%増の約1万7800箱を売り上げ、すでに1月からの累計は年間目標の約7割に達した。同社は「これほど増えたことはない」と驚きを隠せないでいる。
ニッカでは、ウイスキーの原酒は今のところ在庫でまかなえているが、来年以降に備えて今年は前年より1割ほど増産する。ただ「販売が落ち着く可能性もある」として大規模な投資は計画していないという。ウイスキーブームがどの程度定着するか、来年春のドラマ終了以降に見極めることになりそうだ。
これに対して、サントリーは強気の戦略で押す。ハイボールブームを仕掛けた同社は、22年1~5月の「角瓶」販売が前年同期比76%増の124万ケースと計画を上回る大ヒットとなり、今のニッカと同様に出荷を抑えた経験がある。
昨年の山崎蒸留所(大阪府島本町)に続き、今年は白州蒸留所(山梨県北杜市)に蒸留釜を増設。それぞれ約10億円ずつを投じ、生産能力を1・4倍に増強した。日本のウイスキーブームを逃さず、伸びしろの大きな海外市場の開拓さえにらむ。
2014/11/5 01:16 更新
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