スプリント株が一時14%安、解約50万件で利益見通し引き下げ
11月4日(ブルームバーグ):4日のニューヨーク株式市場で、米携帯電話サービス3位、スプリント の株価が急落。同社は前日、11四半期連続で契約者数が減少したことを明らかにし、今年の利益見通しを下方修正した。
3日の発表資料によると、スプリントは約2000人の従業員削減を実施する。今回の削減は全従業員3万1000人の約6.5%に相当するもので、1カ月前に発表したリストラの追加措置となる。一連の人員削減で年4億ドルの経費を節減できる見通しで、年間経費を15億ドル(約1700億円)圧縮する計画の一部となる。4日朝の株価は一時14%急落し、5.34ドルとなった。
7-9月(第2四半期)には約50万件の解約があったため、月次契約者数は27万2000人の純減。ブルームバーグがまとめたアナリストの予想平均は20万3000人の純減だった。親会社のソフトバンクは4日、これを理由に今期(2015年3月期)の営業利益予想を10%下方修正した。
今年8月に就任したマルセロ・クラウレ最高経営責任者(CEO)は電話インタビューで、「8月に就任した時のスプリントは数年ぶりの悪い状況だったため、自分が望んだよりも迅速な行動を迫られた」と語った。
ベライゾン・コミュニケーションズやAT&T、TモバイルUSが軒並み顧客を増やす中で、スプリントは加入者減少が続いている。クラウレCEOは就任以来、劇的な経費削減策に乗り出すとともに、競合他社による値引きへの対抗策を打ち出している。
14年見通しを下方修正スプリントの7-9月期の純損益は7億6500万ドルの赤字となった。前年同期は6億9900万ドルの赤字だった。14年暦年の調整後EBITDA(利払い税金・減価償却・償却控除前利益)は58億-59億ドルとなる見通しで、従来予想の最高69億ドルから下方修正した。
クラウレCEOは3日の電話会議で、アップルの新型「iPhone(アイフォーン)6」と「6プラス」の9月の発売後にスプリントの顧客減少に歯止めがかかったことを明らかにした。同CEOは2年ごとにアイフォーンの新機種に乗り換えできる「アイフォーン・フォー・ライフ」と銘打った積極的な販促を開始した。同CEOは契約者数に関して「明るいトーン」で今四半期を終えることを目指していると述べた。
原題:Sprint Cutting 2,000 Jobs as Mobile Subscribers KeepLeaving (2)(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Scott Moritz smoritz6@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Sarah Rabil srabil@bloomberg.netBruce Rule
更新日時: 2014/11/04 23:41 JST