京大:私服の府警・警備2課警官を学生ら一時取り囲む

毎日新聞 2014年11月04日 23時37分

 ◇京大「事前通告なしの警官立ち入りは誠に遺憾」

 4日午後0時20分ごろ、京都市左京区の京都大学で、無断で構内に立ち入った京都府警の私服警察官を学生らが一時取り囲む騒ぎがあった。京大と府警の間には、大学自治の観点から警察官が学内に入る際は事前通告するなどの申し合わせがあったが、守られていなかったという。京大はこの警察官から事情を聴き、「事前通告なしに警察官が立ち入ることは誠に遺憾」とのコメントを出した。

 府警や京大によると、立ち入ったのは警備2課の30代の男性警察官。学生らが見つけて教室に連れて行き、杉万俊夫副学長らが約3時間にわたって大学に入った目的などについて事情を聴いた。けが人はなかった。

 府警などによると、2日に東京都内であったデモで京大生らを警視庁が公務執行妨害容疑で逮捕。京大で4日、これに対する抗議行動があるとの情報があり、府警が警戒していたという。

 当時、現場付近には別の私服警察官もおり、「課員が学生に囲まれた」と府警に通報。機動隊の車両が京大周辺に集結して一時騒然となった。

 京大がある地域を管轄する府警川端署は「警察官と学生とのトラブルがあったのは事実だが、詳細は確認中」とのコメントを出した。

 警察当局と大学の自治を巡っては、1952年の「東大ポポロ事件」がある。東大構内で開かれた劇団ポポロの公演に私服警察官が潜入。学生が警察手帳を取り上げたなどとして、暴力行為等処罰法違反罪で起訴された。最高裁まで争い、審理が差し戻されるなど判断が揺れたが、73年に有罪判決が確定した。

 ツイッターには、今回の騒ぎを東大ポポロ事件になぞらえる書き込みもあった。【岡崎英遠、村田拓也、松井豊】

最新写真特集