肝臓がん:「日本人だけに特徴的」遺伝子の変異を発見

毎日新聞 2014年11月04日 11時11分(最終更新 11月04日 12時44分)

 日本人の肝臓がんの患者だけに特徴的な遺伝子の変異があることを、国立がん研究センター、東京大などの研究チームが、患者らの遺伝子解析から見つけた。チームは「日本人だけが持つ新たな発がん要因の解明に役立てたい」と説明している。2日付の米科学誌(電子版)に掲載された。

 ◇国立がん研究センターなど解析

 研究は日米共同で実施され、肝臓がんの9割を占める「肝細胞がん」の患者のがん組織を調べた。対象は日本人414人▽欧米人103人▽米国在住アジア人38人−−など計608人。解析の結果、加齢による遺伝子の変異は共通して見られたが、日本人には、この他に特徴的な変異のパターンがあった。

 一般に肝臓がんの原因は、B型・C型肝炎ウイルスへの感染が多いとされるが、ウイルスが関係しない非ウイルス性のがんも増えている。見つかった日本人特有の遺伝子の変異はウイルス感染とは関係なく、いずれの患者にも見られ、新たな治療法の開発に役立つ可能性があるという。

 国立がん研究センターの柴田龍弘・分野長(がんゲノミクス研究分野)は「患者の食事など生活環境のデータと合わせれば、日本人の肝臓がんの新たな原因が分かるかもしれない」と話す。【下桐実雅子】

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