戦死した父思い姉妹が慰霊祭に11月03日 20時49分
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太平洋戦争中、過酷な戦いで多くの戦死者を出した旧日本軍による「インパール作戦」からことしで70年となる中、遺族が、戦死した父親の母校で行われた慰霊祭に初めて出席しました。
慰霊祭に出席したのはインパール作戦で当時34歳で戦死した田中重藏さんの娘、田中黎子さん(75)と柳川恭子さん(74)の姉妹です。
「インパール作戦」は、70年前の昭和19年、旧日本軍がインド北東部の攻略をめざしてイギリス軍などと戦い、過酷な戦いでインド国内だけで3万人が戦死しました。
2人は、父親の母校の拓殖大学で毎年、戦没した卒業生などの慰霊祭が行われていることを大学からの連絡で知り、ことし、初めて出席しました。
父親が出征したとき、2人はそれぞれ1歳半と生後半年で、一緒に暮らした記憶はほとんど残っていないということです。
ただ、出征前に家族4人でとった写真や、戦地から送られてきた家族を気遣う数々の手紙をいまも大事にしているということです。
姉の黎子さんは「終戦の知らせを聞いたときは父が帰ってくると喜びましたがその後、戦死していたことを知らされ、妹と二人で手をつないで泣きました。きょうは、手を合わせながら幼い子どもや母親がつらい思いをする戦争は二度としてはいけないとあらためて思いました」と話していました。