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「3時間で十分」海外ガイドブックに酷評される奈良の「大仏商法」…8時に閉まる「夜の観光」活性化できるか

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「3時間で十分」海外ガイドブックに酷評される奈良の「大仏商法」…8時に閉まる「夜の観光」活性化できるか

午後8時に閉まるシャッター

 バックパックを背負った外国人や、修学旅行の子供たち…。新緑の奈良は、観光客であふれかえっているが、午後8時になれば主要観光地のターミナルである近鉄奈良駅周辺の商店街はシャッターがほとんど閉まって飲食店の明かりも消え、人影はなくなる。奈良市が開いた「懇話会」では、委員からそんな街の現状に厳しい声が上がった。

 「昔は東向商店街も午後9時半ぐらいまで開いていた。でも、今は午後8時にはシャッターが閉まっとるでしょ」

 かつての奈良町のにぎわいを知る近畿日本鉄道の山口昌紀会長は懇話会でこう指摘。かつての元林院について「旦那衆の社交場だった」とし、「気の張ったお客さんが来るときは、家に芸妓を呼んだ。花街は料亭だけではなく、市民の生活と密着していた」と振り返った。

 画家の絹谷幸二氏も「今は働くばかりで、夜が暗いですな」。ほかにも、「しっとり飲める場所がない」「ホテルがないから(奈良には)泊まらないんじゃない。泊まる理由がないからや。あれば業者もホテルをつくる」と、厳しい意見が相次いだ。

 元林院については「憩いの場として夜の雰囲気を残しながら、住んで楽しい街に仕上げていくことが大事」との指摘も。懇話会は今後、定期的に開催され、奈良の「夜の観光」活性化に向けた対策を検討するという。

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