「京都vs.奈良」ルート 関西早期開業で新局面


(更新 2014/5/27 14:00)

京都市長 門川大作氏

京都市長 門川大作氏

奈良市長 仲川げん氏

奈良市長 仲川げん氏

週刊 東洋経済 2014年 5/31号

東洋経済新報社
定価:690円(税込)

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 華道や茶道、能・狂言、京料理などの和食、これら京都に伝わる文化は、世界から評価を受けている。これからの日本の発展にとって、精神文化や芸術、観光振興などの要素が極めて重要になってくる。そういった意味で、京都が文化首都としての使命を果たすことは、国益に合致する。その京都をリニアの計画から外していいのだろうか。


【国の基本計画でルートは決まっている】
奈良市長●仲川げん

リニアは当初から東海道新幹線のバイパス(代替路線)として位置づけられてきた。名古屋以西については「奈良市付近」を通過するということで、1973年から国の基本計画が進み、2011年には整備計画が決まっている。あらためて言うまでもない。

 リニア開業は奈良が大きく発展していくための起爆剤だ。奈良は観光地ではあるものの、「観光経済」という側面ではまだまだ脆弱。鹿と大仏さんがクローズアップされるが、東大寺や春日大社、平城宮跡が集積する奈良市内を巡るだけでも、最低2?3日はかかる。リニアの開業を機に、観光経済を自治体戦略の中枢に据えて展開していきたい。

 日本は世界の中での存在価値を問われる時期にきている。経済力だけでアピールすることは難しく、哲学やビジョンなどを発信する必要がある。リニアによって、奈良の歴史的な資産や資源を伝えていくことができれば、ひいては日本全体の魅力を高めることにつながる。


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