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日本人に特徴的な未知要因も=肝細胞がん解析で発見―国立センターなど

時事通信 11月3日(月)3時20分配信

 日本人の肝細胞がんには、B型、C型肝炎やアルコール性肝炎などの主要な要因以外に未知の要因も存在する可能性が高いことが分かった。国立がん研究センターや東京大、米ベイラー医科大などの研究チームが日米計約600人の患者について過去最大規模の全遺伝情報(ゲノム)解析を行った成果。2日付の米科学誌ネイチャー・ジェネティクス電子版に発表した。
 東大の油谷浩幸教授は「食生活や生活習慣、遺伝的形質の調査を行えば、日本人に特徴的な要因を解明できる可能性がある」と話し、同センター中央病院肝胆膵内科の奥坂拓志科長は「新しい治療薬の開発に貢献するかもしれない」と期待している。
 肝細胞がんは肝がんの9割を占め、中高年の患者が多い。日本人患者は7割がC型肝炎ウイルスに感染しているとみられるが、近年は非肝炎ウイルス性で肥満や糖尿病などが関与するケースが増えている。
 ゲノム解析は2008年に始まった国際プロジェクトの一環で、今回の対象約600人中、約400人が日本人。発がん要因となるDNA塩基配列の変異パターンを人種別に調べた結果、日本人の肝細胞がんでのみ検出されたパターンがあった。全体の解析では主要な原因遺伝子が新たに13個見つかった。 

最終更新:11月3日(月)8時23分

時事通信

 

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