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木質バイオマス発電所が開所 松阪で中部初

中部で初めて本格稼働した木質バイオマス発電所=松阪市で

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 中部初の木質バイオマス発電所が1日、松阪市小片野町で本格稼働を始めた。地元の間伐材などを燃料とする「地産地消」型の発電として近年、全国で立地計画が進む木質バイオマス発電。衰退する林業の振興に加え、地域活性化や森林保全が期待されている。

 市内の林業関係業者で設立した「三重エネウッド」(同)が手掛けた。木質バイオマス発電所の稼働は全国で四番目。五千八百キロワットの出力は国内最大規模。年間発電量は四千万キロワット時で、一般家庭一万世帯分の年間使用量に相当する。電力は特定電気事業者に売電し、年間約十二億六千万円の収入を見込む。敷地面積は約九千平方メートル。投資額は約二十七億円。

 中部地方を中心に計十県から集める間伐材の半数は県内産。県内の林業関係者でつくる「ウッドピア木質バイオマス利用協同組合」が買い取り、松阪市内の工場で燃料チップに加工し、同社に売る。年間約五万七千トンのチップを燃やす見込み。

 燃料となる木は二酸化炭素(CO2)を吸収するため、燃焼させても大気中のCO2を増やさず、地球環境に優しい。山中に放置されていた間伐材を取り除くことで、豪雨が引き起こす流木被害の予防につながる。発電所やチップ加工、間伐材の伐採、集荷で約百人の雇用も生まれると期待されている。

 この日は発電所で開所式があり、関係者約百二十人が出席した。同社の綾野寿昭社長が「地域資源を活用してメードイン三重のクリーンな緑の電気をつくり、森と地域を守る緑の循環をつくりたい」とあいさつ。テープカットの後、鈴木英敬知事や山中光茂市長らが発電所を見学した。

 資本金二億三千万円のうち、半額の一億一千五百万円を農林中央金庫と全国共済農業協同組合連合会(JA共済連)でつくる「農山漁村再エネファンド」が出資した。ファンドは六月末、農山漁村の地域活性化を促す再生可能エネルギー事業支援を目的に設立された。

 (吉野淳一)

 

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