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■元朝日記者の雇用 苦渋の決断強調

 あらゆる攻撃は大学の自治を侵害する行為であり、毅然(きぜん)として対処する――。1カ月前の表明から一転、10月31日に北星学園大の田村信一学長が口にしたのは、元朝日新聞記者の非常勤講師、植村隆氏(56)の契約を更新しないという考えだった。

■一部教職員らは反発

 この問題で、田村学長はこの日、初めて記者会見した。大学としての正式決定ではないとしつつも、「学生の安全をどう確保するかに悩んでいた。どこかで収束させるべきだと思った」と語った。

 教職員らからは、これまで賛否さまざまな意見があったという。学生からは、植村氏をなぜ雇うのかという批判や、就職活動に悪影響が出るなどの意見が出たという。「植村氏を雇うのは日本人としておかしい――など、ネット上に見られるのと近い意見があった。ネット社会が発展し、『大学の自治を守る』と言って学生が簡単に賛同してくれるわけではなく、苦しい状況だ」と漏らした…