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 危険ドラッグを車内で所持し、交通事故を起こす可能性があるとして、愛知県警は4日、同県豊橋市の自営業の男性(27)を運転免許の停止処分(120日間)とし、発表した。道路交通法に基づく措置で、危険ドラッグを所持していただけで免停処分を出すのは県内で初めて。

 県警によると、男性は9月24日、同市内の商業施設の駐車場で、車内で目をむいてけいれんしている状態で見つかった。危険ドラッグを使用していた疑いがあり、男性が持っていた危険ドラッグを調べたところ、指定薬物の指定前で、薬事法違反には問えないものだった。交通事故は起きていなかったが、県警は所持や使用が明らかになった場合、運転免許を停止する運用を始めており、今回の事案で適用に踏み切った。

 道交法は、免許を持っている者が「自動車を運転することが著しく道路における交通の危険を生じさせるおそれがある」場合、交通違反点数にかかわらず、最長6カ月間停止できると規定している。全国的に危険ドラッグの影響による事故や違反が増加傾向にあることを受け、愛知のほかに、警視庁や徳島県警がこの規定での適用を運用している。

 愛知県警によると、免停の条件は、①使用の常習性②使用した場合の危険性の認識③将来、使用して運転する恐れがある④所持していた危険ドラッグに、運転に影響のある成分がある――の四つ。県警は、道交法違反(過労運転等の禁止)の疑いで摘発できなくても、こうした条件を満たした者の免許を停止するよう、県内の全署に通達を出している。