3日のソウル株式市場は大きく動揺した。現代自動車の株価が5.9%安となり、2010年10月以来4年ぶりの安値まで下落した。起亜自動車、現代モービスも5.6%、4.0%それぞれ下落した。「自動車3強」の時価総額は1カ月半で20兆ウォン以上減少した。
ソウル株式市場で今、円安の恐怖が高まっている。世界市場で日本企業と激しく競争する自動車業界の輸出競争力が円安で低下するのではないかという不安感が広まったからだ。ウォン・円相場は同日、先週末に比べ11.84ウォンのウォン高円安となる100円=951.73ウォンで引け、2008年8月9日(953.31ウォン)以来6年ぶりの円安水準となった。世界市場で日本の主力輸出製品と重複する産業構造を持つ韓国経済としては、円安は大きな脅威となる。
■ドル高・円安の同時進行、輸出と内需に打撃
日銀の黒田東彦総裁が10月31日に発表した追加的な金融緩和措置について、専門家は「奇襲攻撃」という表現を使った。米国が量的緩和の終了を宣言した状況で、日本が円安誘導へ正反対の措置を取ったからだ。
円安は日本企業と競合する韓国の主力企業の価格競争力を低下させ、輸出減少につながる可能性が高い。また、ドル高進行で輸入物価が上昇すれば、内需回復も遅れることになる。
米国経済が回復したことによるドル高とアベノミクスがつくり出した円安という「奇妙な組み合わせ」は、韓国経済の輸出と内需に同時に衝撃を与え得る。
一般的にドル高ウォン安になれば、輸出増加というプラスの効果があるが、今回のように円安が同時に進めば、競合する日本企業の競争力が高まり、効果は半減してしまう。円安のペースがウォン安のペースを上回れば、輸出競争力はむしろ低下する。
円安ショックは世界市場で日本と競争が激しい自動車、鉄鋼、造船の各業種で目立ちそうだ。キウム証券のアナリスト、チョン・ジウォン氏は「電機・電子業種は日本と比べ明らかな優位にあるため、円安の影響を比較的受けにくいが、自動車、造船、鉄鋼は日本企業と比べ対等または劣勢にある上、世界需要も減少しており、大きな打撃を受けるのではないか」と指摘した。
ドル高と円安はもたらす輸出と内需の同時低迷という二重苦に加え、韓国の輸出企業は中国製造業の競争力、日本の価格競争力のアップに挟み撃ちにされる「サンドイッチ状態」であることも深刻な問題だ。