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【正論】
公布68年、真の日本示す新憲法を 駒沢大学名誉教授・西修
≪国民の手でつくる責務≫
現行憲法の最大の問題点は、日本国民自身の手で作られていないことである。マッカーサーは、日本での連合国軍最高司令官の地位を離任後、1951年5月5日の米上院軍事外交委員会で、「近代文明の成熟度の基準にてらして、われわれが45歳の壮年であるのに対し、日本はまだ12歳の少年のごときである」と証言した。
憲法については、未熟な日本人に対して、教え諭すという態度だった。その後、68年間で随分と成長したはずだ。成人になった証しとして新憲法を作成すること-それが現代に生きるわれわれ日本国民の責務であるといえよう。
憲法全体を改めてこそ、日本国民は、真の意味の「日本国憲法」を獲得したといえる。そのためには、改憲勢力が合同して知恵を出し合い、新憲法草案を作成するのが最も望ましい。
国民投票に付し、一括して「賛成」票を得られるような新憲法の制定作業に入るのが、本来のとるべき方策といえよう。純粋の「日本」を示す「新日本国憲法公布記念」の切手シートの発行を期待したいものだ。(にし おさむ)