川内原発:再稼働、県同意へ…経産相の鹿児島訪問評価

毎日新聞 2014年11月04日 07時00分(最終更新 11月04日 08時59分)

 九州電力川内(せんだい)原発(鹿児島県薩摩川内市)を巡り、県議会(定数51、欠員2)が再稼働を認める公算が大きいことが3日、毎日新聞の取材で明らかになった。同日鹿児島入りした宮沢洋一経済産業相の要請を受けた伊藤祐一郎知事も、県議会の容認後に、再稼働に同意する見通し。

 県議会の臨時議会は5日に開会し、6日の原子力安全対策等特別委員会(15人)で再稼働に賛成、反対それぞれの立場から出ている陳情を審議する。取材に対し、委員の過半数が再稼働を求める陳情を支持する考えを示した。

 その後、7日の本会議最終日に、同様に陳情を審議、採決する。最大会派の自民党県議団(35人)は4日に総会を開き、会派としての方針を決めるが、再稼働を認める方向でまとまる見通し。取材には所属県議の大多数が「国策で推進したエネルギー」などと再稼働に賛成するか、「会派の方針に従う」と述べた。公明党県議団(3人)も同意方針を明らかにしている。

 この結果、県議全体でも容認派が過半数に達し、本会議で再稼働賛成陳情が採択されるのがほぼ確実となった。ただ、自民党県議団の一部には再稼働に反対の姿勢を示す県議もいて、流動的な要素も残っている。

 一方、宮沢経産相は3日、川内原発視察後に鹿児島県庁を訪れ、伊藤知事や池畑憲一議長らと会談した。経産相は国のエネルギー政策やエネルギー事情などを説明した上で、川内原発の再稼働を進めるという国の方針を改めて伝えた。さらに「再稼働後、万が一事故が起きた場合には国が先頭に立って責任を果たすと約束する」と述べて、再稼働への協力を求めた。伊藤知事は会談後の会見で「国が最終的に責任を持つという言葉をいただいた」と話し、国の姿勢を高く評価した。

 知事が同意すれば一連の地元同意手続きは終了する。ただし、地元手続きと並行して原子力規制委員会が審査している工事計画などの補正書に不備が指摘されており、再稼働は年明けになるとみられる。【津島史人、宝満志郎、杣谷健太】

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