UPDATE 1-必要に応じ万全期す、7─9月QE分析し判断=景気対策で甘利担当相
(内容を追加しました)
[東京 31日 ロイター] - 甘利明経済再生担当相は31日の閣議後会見で、景気対策について、必要に応じて万全を期すのが安倍政権のスタンスだとしたうえで、11月17日に発表される7─9月の国内総生産(GDP)1次速報(QE)などの数字を分析し、安倍晋三首相と相談することになるとの見通しを示した。
来年の消費増税に備えて3─4兆円の景気対策を政府が検討しているとの一部報道について、甘利経済再生相は「規模について報道があるが、その点はまったく決まってない。やる、やらないもまだ決定していない」とし、現時点で「中身について私の下で検討しているわけではない」と語った。
ただ、「仮に何らかの対応が必要というときは、分析をしっかりし、ピンポイントでそこに対策がいくような手を打つべきだ。消費の低迷、不安を払しょくするようなピンポイントの対応が必要になるかどうか、7─9月のQEを見て詳細を分析する必要がある」との考えを示した。
この日発表された9月の有効求人倍率が1.09倍と、3年4カ月ぶりに前月を下回ったことについては、「企業の新規求職者数が若干減り、就職希望者が増えていることもある」との見方を示す一方、「15歳から64歳までの就業者率は昭和43年の統計以来の最高値だ。雇用者数も増えている。政権交代前と比べると136万人増えている」と指摘した。
9月の家計調査で、全世帯の実質消費支出が前年比5.6%減となったことについては「(家計が)将来見通しで若干守りに入っている点がある」と分析。「所得層の下位部分が消費をうんと絞っている。これは今後消費税が2%上がるだろうという予測と、賃金の改善が今後も続くかを不安視していることがある」との見方を示した。
このため、「好循環が2巡目も回る。企業業績の改善が賃金の改善に2巡目も向かうんだという環境を作ることが非常に大事だと思っている」と述べた。
消費税率10%への引き上げ判断時期に関して、12月8日発表の2次QEを見るのであればその前の12月1日に発表される法人企業統計で判断できるとの認識を以前、示したことについては「予算編成との関連で、かなり無理が生じると財務相が懸念されている。だとすると、1次QEにプラスされる主要な要素は法人企業統計になるので、予算編成と齟齬(そご)をきたさないためにぎりぎりなら、法人企業統計をみれば推定できるのではないかと言った」と説明。「あくまでも判断されるのは首相だ。その前に判断されるか、そこまで待たれるのかは首相の考え方次第だ」と語った。
(石田仁志 編集:山川薫)
© Thomson Reuters 2014 All rights reserved.