唐突ですが、お小遣いが1万円増えたらうれしくないですか? いつものランチを豪華なものにできますし、「仲間と帰りに一杯」も、余裕です。デートもグレードアップできるし、家族に内緒で買いたかった“あんなもの”や“こんなもの”も買えちゃいます。
実はこれ、面倒がらずに交通費を精算すればできることなんです。
この1万円という額は、私の会社からBiz.ID編集部まで週3回通った場合の1カ月の交通費。面倒がらずに精算すると戻ってくるお金です。これが1年分ともなると12万円という大金に。週3回の編集部詣ででこれだけ交通費ということは、会社から会社へと飛び回るスーパー営業マンなら、もっと膨大な額になるはずです。
きちんと精算すればこれほどの交通費が戻ってくるというのに、なぜ、ビジネスパーソンは精算処理をやらないのか。答えは単純、面倒だからです。
まず、交通費の精算をするには、使った金額や乗り降りした場所を常にメモしておかなければなりません。月に1度や2度ならまだいいですが、営業や打ち合わせが多い人なら、無視できないほど大きな手間になるはずです。
だからといって、あとでまとめてやろうとするのも大変です。過去のカレンダーや手帳、メールを漁りながら、いつ、どこに行ったかを洗い出して料金を調べる必要があるので、さらに手間が増えますし、抜け漏れも増えるでしょう。
月末になったら今度は交通費のメモを申請書に転記していく必要があります。交通費のメモをPC上に入力していればコピペですみますが、紙のカレンダーやノートにメモしてあったら大変です。手書きのメモを一つひとつ転記するという、非生産的な作業が発生します。
面倒で手間がかかる交通費の精算に時間をとられるのもイヤだけど、精算を諦めてお金を取り返せないのもやりきれない……。こんなジレンマがビジネスパーソンを襲いますが、交通費精算を行うのはたいていの場合忙しい月末の時期。結局は、「今月は交通費をそんなに使ってないし面倒だから……」という理由で適当な言い訳をしてガマンしているのではないでしょうか。
交通費精算のような“ただの作業”に時間をとられ、本来、時間をかけたい企画書づくりや商品開発の時間が奪われてしまうのは切ない話です。
そんな悩めるビジネスパーソンを“交通費精算地獄”から救う無料アプリがリリースされたのをご存知でしょうか。
その名は「スイカハッカー」。SuicaやPASMOをスマホにかざすだけで、乗り降りした駅と電車賃をスマホに表示してくれるアプリです。取得したデータをCSVファイルで書き出すことまでできる優れモノ。そう、私はこれが欲しかったのです。
使い方は簡単。アプリをインストールしたら、手持ちのSuicaかPASMOをスマホにかざすだけ。カードをかざすとSuicaハッカーアプリが自動で起動して、交通費ログを画面上に表示します。
Googleカレンダーと同期すれば、Googleカレンダーに登録してある予定と紐付けることもできます。これで、どの案件でどこに行ったときの交通費なのかが一目で分かるようになります。
月額100円のオプション機能を使えば、CSV形式で保存したり、メールやLINEなどの外部アプリに交通費ログを転送したりできるようになります。
スイカハッカーを使えば、バスや電車に乗るたびにいちいちメモする必要はありませんし、データも正確です。
スイカハッカーの開発元であるジェネストリームが調べたところでは、多くのビジネスパーソンが交通費申請のために、毎月2時間もかけているそうです。この“ムダな2時間”からビジネスパーソンを解放しよう――そんなコンセプトでこのスイカハッカーは生まれました。
ジェネストリームは今後、スイカハッカーを家計簿サービスと連携させたり、Suica&PASMO以外のカードに対応させたり、といった新機能の実装を計画しているとのこと。今後の進化にも期待できそうですね。
なお、スイカハッカーを使えるのはNFCに対応したAndroid端末。残念ながらiPhone 6や6 Plusでは使えません。
システムエンジニアとして6年半の会社員生活を経て独立。ブログ「jMatsuzaki」を軸に各種メディアで執筆活動をするとともに、セミナーの講師も行っている。文体と講演スタイルは独特で、それが好評を博している。
小学生の頃からの夢であった音楽家へ至るまでの全プロセスをブログを通じて公開することで、仕事と遊びを一致させるための知識と技を伝えている。
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