[PR]

 国を二分する大接戦となった先月26日のブラジル大統領選をめぐり、サンパウロで1日、現職のジルマ・ルセフ大統領の再選に抗議するデモがあった。地元報道によると、約2500人が参加し、目抜き通りを行進しながら、票の数え直しなどを訴えた。

 デモはソーシャルメディアでの呼びかけがきっかけ。参加者は「選挙には不正があった」「与党・労働党は出て行け」などと書かれた横断幕やプラカードを掲げ、現政権を非難した。この日は、首都ブラジリアや南部のクリチバなどでも小規模なデモがあった。

 先月行われた大統領選の決選投票は、ルセフ氏と社会民主党のアエシオ・ネベス上院議員との一騎打ちとなり、約3%の差でルセフ氏が再選を果たした。労働党政権は貧しい家庭への支援に力を入れおり、ルセフ氏は北東部や北部の貧困層から高い支持を得たが、サンパウロなど都市部の中間層はネベス氏を支持する傾向が強かった。(サンパウロ=田村剛)