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「ハネカクシ」の羽を畳む仕組み解明11月4日 6時14分
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世界中に分布している小型の昆虫「ハネカクシ」の仲間が、薄い羽を小さく畳んで外側の固い羽の中に収納する仕組みを東京大学の研究グループが初めて解明しました。研究グループでは、人工衛星に搭載する太陽光パネルの新たな畳み方などの技術開発に応用できるのではないかと話しています。
ハネカクシ類は最大でも数センチほどの小型の昆虫で、薄い大きな羽を外側の固い羽の中に格納する際、お尻を器用に使って折り畳みますが、畳み方がほかの昆虫と比べ複雑で、どのように畳んでいるのかは謎とされていました。
東京大学生産技術研究所の斉藤一哉助教らのグループは、ハネカクシの仲間が飛び立つところや羽をしまうところをハイスピードカメラを使って撮影し、畳み方を初めて解明しました。
その結果、畳み方は左右でそれぞれ違い、20以上の折り線が必要な複雑な仕組みになっていることが分かりました。
畳んだ羽は広げたときの面積の5分の1ほどに小さくなり、開くときは0.1秒、畳むときは1秒しかかからなかったということです。昆虫の持つ能力は、これまでにもさまざまな科学技術に応用されていて、斉藤助教は「一瞬で開いたり閉じたりできる畳み方や体の構造はほかにはない方法だ。宇宙空間で開く必要のある人工衛星の太陽光パネルの新たな畳み方などの技術開発に応用できるのではないか」と話しています。