2014-11-03
■[イラスト]日本のドラマが安っぽく見える原因、備忘録
また、こっちの日記更新することになるとは思わなかったけど、備忘録的に。
外国人「なんで日本のドラマってすごい安っぽいの?」【海外反応】
この記事、結構、おもう事があるんで、備忘録として、日本のドラマが安っぽくみえる原因についてまとめ。
ぶっちゃけ、僕もそう思う。なんでか日本のドラマって安っぽく見える。
日本のドラマがチープ?実際に低予算でドラマ作ってるだから当たり前だろ説
日本のドラマは低予算。予算が潤沢に使えるアメリカのケーブルTV向けのドラマに比べてチープに見えるのは当然説。
フレームレートのせいだよ説
日本のドラマのほとんどは、映画のような24fpsで制作されていない。例外は刑事ドラマと時代劇と特撮。日本のドラマはアメリカのソープオペラ、ニュース番組と同じ30fpsで撮影されているので、チープに見えてしまうという説。
実際の所、日本の昔の刑事ドラマ、時代劇なんかの24fpsで撮影された作品を外人に見せて、「チープに見える?」と聞いてみれば、フレームレートのせいなのかどうかはわかると思う。
照明のせいだよ説
日本のドラマは、ハイキーのスタイルで画面全体が明るい。人物をフラットに照明する。これはアメリカにおけるソープオペラやシットコムの手法である為、「チープにみえる」という説。
この手のフラットな照明の例としては「渡る世間は鬼ばかり」を例にだすけど
こういう奴。ポイントは室内でのカットで人物の顔に全く影がない所ね。なんでフラットとか言われる照明方法。
ちなみに記事内で外人が言ってる「フラット」な照明のドラマとしてコロネーション・ストリートソープも貼っとくけど
これ。画面全体が明るくて、人物の顔には影が出ない。画面はとても人工的で舞台の上のような感じになる。
反対の例として挙げられているのがイーストエンダースで
こうなるが、こっちは自然光で取っているらしく、顔に影が落ちまくっているし、画面がすっごく暗い。
ちなみに、照明の明るさについては、時代劇にも言える。時代劇は江戸時代を舞台にしているのが多いんだけど、江戸時代というのは、当たり前だが電気が無い。それと窓ガラスが存在せず、障子戸で光を屋内に入れている。つまり、屋内は現代に比べて昼間でも暗い。夜の屋内とか暗黒。夜は外灯なんてないから、外は超暗い。というか夜は月以外に明かりがない。
なんだけど、「剣客商売」の「井関道場四天王」のキャプでやるけど
これは夜の屋内のカットなんだけど、江戸時代、夜の屋内がこんなに明るいとか、ちょっとありえないし、
これは夕食の場面なんだけど、夕食の場面でこんなに屋内が明るいとか江戸時代はありえない。行灯でこんなに明るくならない。
これは夜道の場面なんだけど、行灯と月の光だけで、こんなに明るくはならない。
こういう「異様に明るい江戸時代の夜」というのは、時代劇だとお約束として日本人には受け入れられてきた部分があるんだけど、外人から見ると、「なんで電気がない時代の話なのに、こんな明るいの?フェイク!」という感じで違和感が出るのかもしれない。
ただし、アメリカの作品でもファンタジーとかの中世モノ、西部劇では、夜の照明では似たような問題がある。
これはロードオブザリングの「二つの塔」のクリップ。夜の合戦シーンを描いているけど、このシーン、全体的に青く描かれている。「夜のシーンを青く描く」のは、よくある表現なんだけど、正直、あまりに青すぎて違和感を感じてしまう。僕の目の場合、月の光はあんまし青くみえないし、夜の風景も、それほど青くみえないので、これ系の表現が苦手だったりする。僕の場合、このシーンは色の問題から「フェイク」にうつる。
ちなみに、「チープじゃないドラマ」として、「game of thrones」が挙げられているけど
あの作品は小説しか読んだことないけど、これの動画みる限り、「画面が暗い」作品。中世世界なので電気がない。だから、屋内は凄く暗いし、夜は真っ暗。人物に凄く強く影が出る絵になってる。影がちょっと強すぎる、という位だ。あと、屋内描写をろうそくの光だけでやってるのか、屋内の場面で、絵が全体的に赤い。
電気がない時代のドラマ、映画を作ろうとすると夜の場面や屋内を暗くしないとリアリティが出ず「フェイク」に映ってしまう可能性がある。でも、画面暗くしちゃうと見にくい絵になる。ここは結構むずかしい。
カメラがパンフォーカスされてて、色んなモノが写りすぎだよ説
これも、ソープオペラや、シチュエーションコメディ(以下シットコム)がそうなんだけど、カメラがパンフォーカス気味になっていて、画面全体にピントが合っている事が多い。アメリカのチープなドラマと同じ画面設定なので画面がチープに見えるっていう説。もともと、カメラにはパンフォーカスとシャロウフォーカスってのがあって、どういう事かってーと、最初に貼った「渡る世間は鬼ばかり」の動画と、「game of thrones」の動画を比較すればすぐにわかると思う。
まず、この二つの動画の屋内のシーンを見比べてもらうとわかりやすいと思う。
「game of thrones」やイギリスの「シャーロック」みたいなドラマは、
こんな感じで絵を作る。この手の画面作りは、日本だと、こないだの「半沢直樹」がいくらか使ってたけど
こういう絵作りね。
画面全体にパンフォーカスで絵作りをするか、それともシャロウフォーカスで絵作りをするか。アメリカだと、「画面全体にピントがあっている絵」はシットコムやソープオペラに多いため、そういう絵作りをすると、外人に「安っぽい絵」という認識をされやすいのかもしれない。
もっとも、パンフォーカスとシャロウフォーカスで、どっちが優れているかって話は特に存在しないし、併用するのが当たり前だし。
最近のドラマは予算がないせいか、セットや小物がチープだし、そういう状態でパンフォーカスで撮影されると、なんかまるでドリフみたいな印象になるのかもしれん。
俳優がダイコン説
ジャ○ーズとかアイドルを使うドラマは、その傾向があるかもしれんね。
サウンドデザインが使い回しで劣化してるよ説
よくわからんのでノーコメント。
キャラクターにクローズアップせずにほとんどを引いて撮影してるせい説
これは、外人が言ってる意味と同じ意味なのかはわからんけど、見ていて「これセット組んで撮ったんだな」ってのが画面からモロバレだったり、「ここカメラをちょっと回したらスタッフ写るよね」とかいうのが画面からわかってしまう構図、セットの事だと思う。
こういう構図の絵を作ってしまうと、「ああ、これはフェイクなんだ」という感情を視聴者に与えてしまう。
結論は特に無し
理由は多分、複合的なモンなんだろうと思う。最近のドラマは、ホントに何でかわかんないけど、僕にはチープに見える。
「違和感がある絵」というのは洋画にも、洋モノのドラマにもある。ただ、日本のドラマのチープさはそれとは別で、なんか「安っぽい絵だなあ・・・」という感じは、どうしても持ってしまう。
個人的には、ライティングのせいなんじゃないかと思ってたけど、外人が色々言ってるの見て、「う〜む」と思ったので、ちょっとまとめた次第。