将棋電王トーナメント:AWAKE初V いよいよ棋士対戦
毎日新聞 2014年11月03日 20時22分(最終更新 11月03日 21時08分)
将棋のコンピューターソフト同士が対戦する将棋電王トーナメントが1〜3日の3日間、さいたま市で行われ、出場25チーム中、「AWAKE(アウェイク)」が初優勝した。賞金250万円。5位までの5ソフトが来年3、4月に開催される棋士との団体戦「電王戦FINAL」への出場権を得た。棋士側は阿久津主税八段(32)ら5人の出場が決まっている。
棋士とソフトの過去2回の対戦成績は、棋士側が1勝3敗1分け▽1勝4敗と連敗中。最終回となる今回は現役A級棋士の阿久津八段、B級1組の村山慈明七段ら成績優秀な若手棋士でメンバーを構成、勝ち越しを目指す。
決勝トーナメントの解説者、西尾明六段は「上位のソフトは相当強い。棋士がどう戦えばいいか考えてしまった」と感心するほどだ。決勝では前回優勝し今回も本命視されていた「ponanza(ポナンザ)」が優位に戦いを進めたが、「AWAKE」が一瞬のスキを突いて逆転、会場をどよめかせた。
「AWAKE」の開発者、巨瀬(こせ)亮一さん(27)はかつて棋士を目指して奨励会に在籍していた。「棋士との勝負にはこだわりはない。棋士の実力向上にどれだけ貢献できるかが、私のモチベーションです」と抱負を語った。
順位は次の通り。2位=「ponanza(ポナンザ)」▽3位=「やねうら王」▽4位=「Selene(セレネ)」▽5位=「Apery(エイプリー)」。【山村英樹】