| 打 率 | BABIP | |
| 2001年 | .350 | .369 |
| 02年 | .321 | .344 |
| 03年 | .312 | .333 |
| 04年 | .372 | .399 |
| 05年 | .303 | .316 |
| 06年 | .322 | .348 |
| 07年 | .351 | .389 |
| 08年 | .310 | .334 |
| 09年 | .352 | .384 |
| 10年 | .315 | .353 |
| 11年 | .272 | .295 |
| 12年 | .283 | .300 |
| 13年 | .262 | .285 |
| 14年 | .284 | .346 |
今年のイチローの打率は2割8分4厘。初めて3割をきった2011年以降では、わずかとはいえ、一番良かった。ただ、安打数は102本。打席に立ったのは385回。ピークだったころと比べれば、いずれも半分程度。出場試合数は143試合だが、そのギャップに起用のされ方が透けてみえる。打率そのものは昨年と比べれば2分2厘の上昇。背景には「BABIP」の回復が考えられる。
■メジャーの打者で最も不運?
BABIPとは「(安打-本塁打)÷(打数-三振-本塁打+犠飛)」という式で求められ、本塁打を除くフェアグラウンドに飛んだ打球がヒットになった割合を示す。相手の守備力や運、不運に左右されるともいわれ、データ研究の専門家の間でも評価が分かれるが、イチローの場合、コンタクトし、打球を前に飛ばすことで可能性を求めていくタイプ。過去、この数字が高いと、打率も高くなるという連動性があった。
打率が3割をきった11年には、初めてBABIPも3割を下回り、様々な分析の中で出てきたのは、極端な「不運説」。あのとき、メジャーの約半数の球団にデータを提供し、セイバーメトリックスの祖であるビル・ジェームスがコンサルタントを務める「ベースボール・インフォ・ソルーションズ」が、イチローはメジャーの打者の中で最も不運を受けている、というデータを公表した。
そのときの記事によれば、11年シーズンの8月24日時点で、イチローは31本のヒットを好守によって阻まれ、そのうちの11本がアウトになる確率が15%以下の“超”ファインプレーだったそうだ。その時点で31本はリーグトップ。2位は28本、3位は27本、4位は26本。規定打席に達している選手の平均は16本だったというから、そこにイチローの不振の原因があるとした。
ただ、「ベースボール・インフォ・ソルーションズ」にそれ以前の数字を調べてもらうと、10年は33本、09年は29本だった。その2年間はそれだけのロスがありながら、それまでと変わらない結果を残していたのだから、11年だけが特別不運だったとはいえなくなった。つまりは、他にも要因があったと考えるべきで、決して一過性の不運ではなかったと言える。
イチロー、BABIP
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