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「エボラ対策こそ自衛隊の本懐」 米太平洋軍元司令官・デニス・ブレア氏寄稿
ガイドライン再改定の中間報告は、将来の日米防衛協力で「日米同盟のグローバルな性質」を重視するとした。また、「国際的な人道支援と災害救援」が重要な協力分野になると明記している。エボラ出血熱の蔓延は近年における深刻な人道的課題の一つ。まさに、ガイドラインが活用されるべき類いの状況だ。
多くの医療団体がエボラ出血熱に対応しているが、現場に多数の治療拠点を迅速かつ大規模に提供できるのは軍隊だ。
米国は「Operation United Assistance(共同援助作戦)」と名付けた統合任務部隊をエボラ出血熱の拡大が深刻なリベリアに派遣し、計1700床の野戦病院を提供する計画だ。
米軍が展開することで、自衛隊の任務部隊が西アフリカに医療施設と医師を送り込んで治療態勢を構築するための仕組みを提供し、活動の提携者となることができる。
自衛隊の派遣は、悲惨な疫病の感染者に真の人道的支援を行うだけでなく、日本が「日米同盟のグローバルな性質」を是認するのであれば、日本が身につけなくてはならない計画力と兵站能力の多くを体得し検証することになる。