■「ギャラクシー」だけではリスク大
部品系列会社が一斉に「脱サムスン電子」を叫ぶのは、スマートフォンの不振が予想よりも深刻なためだ。スマートフォン事業を担当するサムスン電子ITモバイル(IM)部門の営業利益は今年第1四半期(1-3月)の6兆4300億ウォン(約6760億円)から第2四半期(4-6月)の4兆4200億ウォン(約4650億円)へと減少。さらに、第3四半期には1兆7500億ウォン(約1840億円)に落ち込んだ。中国とインドでは現地企業にシェア1位の座を奪われた。
このため、サムスン電子の部品事業部も「脱ギャラクシー」を目指している。ギャラクシーシリーズにばかり頼らず、アップル、中国、台湾など売れるところにならどことも取引をする戦略だ。
スマートフォンの頭脳部であるアプリケーションプロセッサー(AP)を生産するサムスン電子システム半導体事業部は、来年から販売先を大幅に拡大する。最初の目標は台湾の聯発科技(メディアテック)が独占している中国の低価格スマートフォン向け市場だ。また、14ナノメートル製造プロセスで生産したAPをアップルの次世代スマートフォン向けに供給することも目指している。
サムスンはアップルとの特許訴訟を受け、アップル向けのAPなど部品供給を減らしたが、製造技術の優位性を生かし、失地回復に乗り出した形だ。
ギャラクシーに供給していたイメージセンサーも中国メーカー向けに販売を積極化する。サムスン電子システム事業部は今年9月、中国広東省深セン市にスマートフォンやデジタルカメラの部品メーカーから経営幹部約300人を招き、「サムスンイメージセンサーフォーラム」を開催し、新規取引先を開拓を目指した。サムスン幹部は「社内的にギャラクシーシリーズの成功に酔っていた。今は正気を取り戻しているところだ」と話した。