ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング社を連結子会社化 再生医療製品の開発を加速し、製品化を推進
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富士フイルムホールディングス株式会社(社長:中嶋 成博)は、このたび、事業会社の富士フイルム株式会社が保有する株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(社長:小澤 洋介、以下J-TEC)の新株予約権の全てを年内に行使することを決定いたしました。これにより富士フイルムグループの持株比率は50.33%(*1)になり、J-TEC は富士フイルムホールディングスの連結子会社となります。
富士フイルムは、平成22年に国内で再生医療製品(*2)事業を展開するJ-TEC と資本提携を行い、41.29%の株式を取得しました。本年3月にはJ-TEC との提携を強化して再生医療の実用化に向けた取組みを加速させることを目的としてJ-TEC が発行した新株予約権を引き受けました。また、富士フイルムが開発した生体適合性に優れるリコンビナントペプチド(RCP)(*3)を活用した再生医療製品の開発をJ-TEC に委託し製品化を進めています。
現在、富士フイルムグループは、上記の富士フイルムの持分および、傘下の富山化学工業株式会社の持分(4.50%)合計で、J-TECが発行する株式の45.47%(*1)を保有しています。
再生医療の実用化促進はアベノミクスの成長戦略の目玉の一つであり、本年11月25日には、「医薬品医療機器等法(改正薬事法)」・「再生医療等安全性確保法」が施行されます。なかでも、再生医療製品の早期実用化に対応した早期承認制度と、医療機関から外部企業への細胞加工委託は日本の再生医療の産業化を加速する規制緩和となります。このような中、J-TEC を連結子会社化することでJ-TEC の財務基盤の強化を図り、再生医療製品の開発の加速、再生医療の事業領域の拡大を進めていきます。
富士フイルムは、これまで写真フィルムの研究開発・製造などで培ってきた技術やノウハウを応用して、再生医療に必要な細胞生育・増殖のための「足場」(*4)として、生体適合性に優れさまざまな形状に加工できるRCPを開発するなど、再生医療分野への取り組みを進めています。富士フイルムの高機能素材技術やエンジニアリング技術、画像診断技術、解析技術と、J-TECの研究・開発・生産・販売などの多面にわたる技術力とノウハウをさらに融合することで、再生医療の産業化に貢献していきます。
*1 平成26 年9 月30 日時点のJ-TEC の発行済株式総数を基に算出。
*2 再生医療は、人工的に培養した細胞や組織などを用いて損傷した臓器や組織を再生し、患部の機能を回復させる医療技術。再生医療は、(1)分化・増殖して人の組織となる「細胞」、(2)細胞の分化・増殖を誘導する増殖因子等の「サイトカイン」、(3)細胞が正常に生育・増殖するために必要な「足場」が重要な三要素である。
*3 遺伝子工学技術により微生物を用いて人工的に作成したヒト型コラーゲン。
*4 細胞が接着し正常に増殖するために必要な場を提供する細胞外物質(細胞外マトリックス、スキャフォールドとも言う)。