そこで心に残ったエピソードです。
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児童養護施設に来る子どもの多くは親から相当な虐待を受けている場合が少なくない。
それでも、ことあるごとに家に帰りたいと話す子どもは多い。
親に植木鉢で殴られて、頭が血だらけになった状態で保護されたような子どもでさえ、つらいことがあったりするとすぐ家に帰りたいと話す。
また、ごく稀な、親から大切にされた思い出をとても大切にしていて、それを自慢話として施設の周りの子どもたちに話す例も多い。子どもの部屋には、親からもらった小物が大切そうに置かれていることがよくある。
さらには、虐待を行ってきた親が被告となった裁判において、嘘の証言をするといったことまである。
—『働きながら、社会を変える』
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どんなに辛い過去があっても親は親なのですね。
親子の縁は、本当に強いものなのだと思い知らされます。
実際、親がいながら施設に入っている子はたくさんいるのです。
施設でも、親子のつながりが戻るのは最上のケアの一つで、
親子の再統合は第一のテーマになるそうです。
親からひどい目に遭わされても
親を悪いとは言わない、
親をかばう、
そんな子どもの姿に心が傷みます。
施設で働く方はこう語りました。
「私は、『人は、人生の一時期でも誰かから愛された記憶があれば、その記憶を頼りに生きられる』という言葉を信じて、短い時間になるかもしれないけれど子どもを愛するのが一番大切な仕事だと思っています」
すべての子どもたちが愛し、愛されて育つ事を心から願っています。
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