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歴史の事実を忘れることはできない:国賓オランダ国王の発言を封殺した日本

 オランダ国王
 ウィレム・アレクサンダー国王

 オランダ国王が国賓として来日し、挨拶のなかでは戦争と歴史(犯罪)責任に言及した。
 天皇もそれに対応した挨拶を表明したようである。

 ところが、日本の二つの通信社、NHK、5大新聞とTVネットワークは、オランダ国王の発言について一切を報道封殺した。
 国賓としての来日と両王室の応対であり、相手国王の発言もそれに事前に対応している天皇の発言も封殺し、存在しなかったことにする、極めて異常な報道封殺である。

 私たちはこの国の報道、マスコミについて、よほどの用心と注意がなければ、完全に有ったこともないことにされ、まるで盲目にされてしまう、恐ろしい事態である。
 場合によっては事実でないことも有ったかのごとくに報道されている可能性さえあるだろう。

 国王の発言はオランダでは当然報道されていようし、たぶん、日本のマスコミが一切封殺したこともじきに知られることだろう。ナチスと同じ国家報道統制として。
 海外報道の日本語版でようやく知ることができた。
  ーーーーーーーーーーーーー
   オランダ国王、天皇主催の宮中晩餐会で「歴史」に言及  10/31  朝鮮日報

 29日夜、東京の皇居(訳注:原文は王宮)で、オランダのウィレム・アレクサンダー国王夫妻を歓迎する天皇(訳注:原文は日王)主催宮中晩餐会(ばんさんかい)が和気あいあいとした雰囲気で開かれた。
 アレクサンダー国王は晩餐会での答辞で日本の伝統的な詩を引用し、両国の交流の歴史が400年を超える点を強調した。
 欧州以外で最初の訪問国として日本を選んだのも、両国王室の関係が親密だからだと述べた。
 アレクサンダー国王は同日、国賓として日本に到着した。

 しかし、日本が自国に与えた侵略の歴史については全く譲らなかった。
 アレクサンダー国王は「先祖が残した誇らしい歴史もつらい歴史も全て継承すべきだ。第2次世界大戦当時、オランダの民間人と兵士が体験したことを忘れずにいる。忘れることもできない」と述べた。
 第2次大戦当時、日本軍はオランダの植民地だったインドネシア(当時は東インド)を占領し、オランダの兵士と民間人約10万人を収容所に監禁し、民間女性を慰安婦として強制動員したことを指摘したものだ。

 アレクサンダー国王は「戦争の傷跡は今も多くの人々の人生に影を落としており、犠牲者の悲しみは今も続いている。捕虜として労働を強制され、プライドを傷つけられた記憶が多くの人の生活に傷として残っている」と続けた。
 両国の友好の根幹が過去の歴史を認めることだという点を強調した。
 「和解の土台になるのは、互いに経験した苦痛を認識することだ」との言葉だ。
 晩餐会では安倍晋三首相ら両国の関係者163人が国王の発言を聴いた。

 同日の発言は予告されていた。
 オランダのティマーマンス外相は今月初め、国王の訪日と関連し、日本人記者と懇談した席上、「第2次大戦のうち日本軍による慰安婦問題が『強制売春』であることには何の疑いもない。高官級の接触時に常に慰安婦問題を取り上げることを理解してもらいたい」と言及した。

 明仁天皇は同日、アレクサンダー国王の立場を意識した歓迎のあいさつを準備していた。
 明仁天皇は「長きにわたって培われた両国間の友好関係が先の戦争によって損なわれたことは誠に不幸なことであり、私どもはこれを記憶から消し去ることなく、これからの二国間の親善に更なる心を尽くしていきたいと願っている」と述べた。

 裕仁前天皇(※昭和天皇のこと。)が1971年にオランダを訪問するなど、両国の王室は親しい関係にあったが、アレクサンダー国王の母親であるベアトリックス前国王は裕仁天皇の生存中に日本を訪れなかった。
 裕仁天皇の89年の葬儀にもオランダの王族は出席しなかった。
 戦争を起こした裕仁天皇に対する国民感情を意識したためだ。
 ベアトリックス前国王が91年、日本を初めて国賓として訪問した際にも戦争捕虜問題に言及し、「日本であまり知られていないが、一つの歴史だ。人々は時がたっても今も悲しみとつらさに苦しんでいる」と述べた。

 皇室生活で受けたストレスで適応障害を患っている雅子皇太子妃も11年ぶりに宮中晩餐会に出席した。
 雅子妃は昨年、11年ぶりの海外公式訪問として、アレクサンダー国王の即位式に出席した。
 雅子妃は2006年、オランダ王室の招きで療養のため、2週間一家を伴い、オランダ王室の離宮に滞在し、家族同士の交流を行った。
 同日の晩餐会でもアレクサンダー国王と近くで会話するなど、親しい関係をアピールした。
 アレクサンダー国王は来月3-4日、オランダ国王としては初めて韓国を国賓として訪問する。
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