2014-11-03
■牡蠣とステーキの素敵な関係
肉の天才、格之進の千葉社長が「清水さん、新しい画期的なステーキの食べ方を考えたから来てよ!」というので、またまた行って参りました格之進。
最近、肉といえば格之進の千葉社長が直々に焼いてくれる90日熟成肉しか食べてないので、ふつうの肉を食えない身体に人格改造されて困っている今日この頃です。
で、その食い方なんですけど、まず酒も出る前から千葉社長の爆裂トークが炸裂します。
「あのね、僕は牡蠣ってそれこそ死ぬほど食べて来たし、美味い牡蠣ってのはコレ!って思っていて、もうそこには絶対の自信があったの。そして牡蠣ってさー、やっぱり店で出すもんじゃないよな、と思っていたのよ。扱いが難しいからね。ところが先日、日本オイスター協会の会長の佐藤さんと知り合って、彼はオイスターマイスターで、牡蠣ペディア(http://ameblo.jp/oysters/)っていうWebサイトもやってるんだけど、彼が言うには牡蠣は剥き方間違えると味が全然違うって言うんですよ。知識としてそうなんだろうなと思っていたんだけどね。そしてよく考えてみたわけ。あのさー、ニューヨークのピーター・ルーガー・ステーキハウス、清水さんも行ったことあるでしょ?」
「ああ、あのブルックリンにある極上のTボーンステーキが食べられるところね。世界で一番ステーキが美味いと言われている・・・ドライエイジングの最高峰だよね」
「そうそう。そのピーター・ルーガーってさ、最初に牡蠣が出るのよ。前菜に」
「あーーー!そういえばそうだったね。肉のインパクトが強すぎて忘れてたけど」
「ということは、牡蠣と熟成肉は合うってことが証明されてたんだよね。実は。そこでその融合をもっと極めて見ようと思ったわけ。この特別メニューを、世界で最初に清水さんたちに食べてもらいたいのよ。で、これ見てよ」
「な、なにこれ?」
「極上の90日熟成したヒレ肉をローストビーフにして、それで牡蠣をくるんと包んだの。食べてみて」
「・・・・!!!!・・・これはッ!・・・なんと罰当たりな」
「いけるでしょ?」
行けるっていうか、これは俺が知っている牡蠣でもローストビーフでもない、牡蠣とローストビーフが出会ったことによる一種の対消滅反応で、牡蠣特有の生臭さも無くなっているし、ローストビーフ特有のモサモサ感も半減してる。ローストビーフは食べてる途中で飽きるという欠点があるのに対し、牡蠣はあまりに一瞬で食べ終わってしまうという欠点がある。しかしこれはその両者の欠点を打ち消し合い、別次元の料理へと昇華しているではないか!
「さあそしてこれが黒毛和牛のLボーンステーキだよ」
「あ、いつものやつだ」
「そして今日はただこれを食べるんじゃ無くてね、こんな風に牡蠣を乗せちゃいます」
「なんだこれ」
「まるごと行ってみて」
言葉を失った。
プルプルのやわらか熟成肉に、まだ生きて心臓の動いてる牡蠣。牡蠣のクリーミーさと、90日の熟成でたっぷりと蓄えられたアミノ酸が衝撃的なうま味のハーモニーを創り出す。
「肉にオイスターが負けてないね!」
肉の科学者、理研の藤井先生も隣で唸る。
するとオイスターマイスターの佐藤さんが解説を加える。
「そもそも、牡蠣のうま味というのは、海のミネラルなんです。牡蠣をたべるときに、殺してしまうと、せっかくのミネラルを放出してしまう。つまりうま味が逃げてしまうんです。こちらの牡蠣の塩汁を掛けるだけでも、牡蠣によって海水のミネラルが凝縮され、極上のスパイスとなるんです。お試し下さい」
なんと美味い。
もともと僕は牡蠣を食べるときの磯の香りというか、そういうのがちょっとニガテだったんだけれども、むしろ磯の香りがまろやかな塩味になって、なるほどこれが本物の牡蠣の旨味か、という感じ。
これが肉に実に合う。というか肉のスパイスとしてこれ以上のものはちょっと存在しないんじゃないの?まさか塩水がこれほどまでに美味いとは。まさに究極のスパイス。
頼む!この塩水だけ売ってくれ!
そんな気分。
「ということはね、牡蠣っていうのはさ、海の旨味、ミネラルを凝縮して凝縮して、それが美味しいわけだよね。これってさ、牛は太陽と大地のミネラルをやっぱり凝縮して凝縮して、それをさらに寝かせて凝縮して、タンパク質をアミノ酸に変化させてさらに凝縮する熟成肉と、本質的に同じものなんじゃないかと思ってね。まだまだ肉の食べ方は奥が深いよ」
と千葉さん。
なるほどねー、牡蠣と熟成肉にそんな共通点がねえ。
まあ理屈はともかく、そもそも既に世界一と言われるニューヨークのピーター・ルーガー・ステーキハウスよりも美味いと個人的には思っている格之進のLボーンステーキ、ただでさえ暫定世界最強肉が、オイスターマイスターという強力なパートナーを得て、鬼に金棒?いや、むしろこれは肉のアベンジャーズだ。
これこそマリアージュと呼ぶに相応しい。
ちなみに千葉さんは酒が飲めないので、今回のワインは特別に僕が持ち込ませてもらった。
牡蠣だけ食べる前菜には店にあったシャブリで。残りは持ち込みの赤を抜栓した。
一本目は定番のカレラ セントラルコースト "キュヴェV"。セントラルコーストだが、ロマネコンティ直系のDNAを持つジェンセンまでブレンドされたお値打ちワイン。ダイナミックな肉にはアメリカらしいカリフォルニアワインがよく似合う。
ちなみに「淡路町のグリルド・エイジング・ビーフ」では同じくカリフォルニアワインの名門、ロバート・モンダヴィが常備されている。たぶんステーキにはカリフォルニアワイン、というのは熟成肉業界の常識なんだろう(知らないけど)。
二本目はポマール2007年シャトー・ド・ピュリニー・モンラッシェ。城としての歴史は古いが、17世紀から続く名家ド・モンティーユ家の長男が2002年から支配人を引き継ぎ、シャトーの名声を強固なものにした。
ポマールはしっかりとした個性があり、熟成肉の強烈なパンチ力にも負けない。香りもさすがブルゴーニュといった趣きで、どことなく威厳すら感じてしまう。
三本目はジュヴレ・シャンベルタン・V・V・オー・コルヴェ 2007年。僕が尊敬するマンガ原作者の樹林伸さんが原作したマンガ「神の雫」にも登場するお値打ちワイン。せっかくの熟成肉にワインで失敗したくないので保守的なセレクトになってしまったけど、ワインマニアの集いでもなければこのくらいで丁度いい。
それに原価が5000円以下のワインなら、千葉さんが格之進で出せる値段になるしね(それでも3倍と感ガルと15000円になっちゃうけど)。
というわけで、このオイスター+熟成肉コース、まだ実験中ですが、近日中にオープンするかも?
とりあえず本日まで昭和記念公園で開催中の「肉フェス」にも格之進さんは出店していて、普段のお店では絶対食べれないような格安のお値段で熟成肉が食べられますよー
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