アビスパ福岡 プシュニク監督解任 体制刷新へ
■J1昇格逃し決断
来季のJ1昇格がなくなったJ2アビスパ福岡が2日、マリヤン・プシュニク監督(54)に解任を通告したことが分かった。神野卓哉チーム統括部長(44)にも来季の契約を結ばないことを通告した。いずれも後任は未定。福岡は第39節終了時点で13勝16敗10分けの13位で、松本戦に敗れた1日にJ1昇格プレーオフ出場圏外の7位以下が確定した。クラブは9月に筆頭株主が交代し、経営危機を乗り越えたばかり。強化体制を一新して再建に取り組む。
■後任は未定
3試合を残してJ1昇格が消えた福岡が大きな決断を下した。複数年契約を結び、チーム再建を託していたスロベニア出身の指揮官、プシュニク監督を解任。今季が契約最終年だった強化トップの神野チーム統括部長にも、来季の契約を結ばないことを通告した。
母国のクラブを欧州サッカー連盟(UEFA)カップ出場に導いた経験もあるプシュニク監督は就任2年目。今季、一時はJ1昇格プレーオフ圏内の5位に浮上するなど健闘したが、終盤に失速した。現在は5戦勝ち星なしで、戦術や練習方法などに対し選手から不満が漏れるなど混迷を深めている。残り3試合の指揮を執るかは未定で、シーズン終了を待たずに帰国するとなれば池田ヘッドコーチが代理を務めることになりそうだ。
プシュニク監督は就任1年目だった昨季も14位に終わった。それでもクラブは、今年のアジア大会日本代表となったFW金森や下部組織出身のDF三島ら、当時高卒1年目の若手を積極起用する育成手腕などを評価。経営危機の中、長期的な視点でチームづくりを進めるためあえて複数年契約を結んだ経緯がある。
しかし、2年連続でプレーオフ出場を逃したことで方針転換。今年1月にJ1鹿島で強化担当経験のある野見山篤社長が就任し、9月にはアパマンショップホールディングス(東京)のグループ会社で、福岡市に拠点を置くシステムソフトが筆頭株主となった。安定した経営のためにも、同社が主導する形で早期のJ1昇格を目指す決断を下したとみられる。
1996年のJリーグ参入から来季が20シーズン目で、次期監督は延べ16人目。体制刷新で長い低迷にピリオドを打つことができるか、監督人事とともに注目が集まる。
=2014/11/03付 西日本スポーツ=