大阪府警捜査4課の捜査協力者が今年2月、府警に情報提供した上で拳銃6丁の密売取引を仲介し、買い主からこのうち3丁を預かり自宅に隠し持っていたところ、5月に奈良県警に銃刀法違反(所持)容疑で逮捕されていたことが1日、捜査関係者らへの取材で分かった。府警は取引現場で売人を摘発せず、入手ルートや背後関係の解明のため「泳がせ捜査」を行ったとみられるが、その結果、残りの3丁は転売され、行方不明になった。
捜査関係者によると、府警は協力者保護が優先課題と判断したという。ただ、協力者が銃器類を譲り受ける銃刀法上の根拠はなく、府警が拳銃の仲介や隠匿を把握していれば違法だった疑いがある。府警幹部は取材に対し「一切答えられない」と話している。
協力者は検察側の調べに「捜査4課の警部に全て報告していた」などと告白。警部は取引の通報を受け売人らの行動確認をしていたが、「情報は不確かで実際に受け渡しは確認できず、銃を預かっていたことも聞いていなかった」と証言しているという。
[時事通信社]